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百合を食い破るのは、二人静の蝶 ★ ページ1

「やっほぉしのぶちゃん!」



はぁ、またですか、と呆れたように笑うしのぶちゃんにホッとする。


鼻血はぼたぼたと落ちて、爪の剥けた足に絵の具のように溶ける。




「今度は何やらかしたんです?」



鼻血を処理して、爪を消毒して、青痣を撫でながら質問するしのぶちゃん。


笑顔はスッと消えて、ヒリヒリとした痛みが頬に、雰囲気のせいで痛いほど感じられる。




「ちょっとね、呼ばれて忙しくて行けなかったの」




「そしたら、うん」




それだけ言うと、口から、ぺっと、血の混じった唾を吐いた。



喉奥からこみ上げる液体を無理矢理に飲み込む。




「配偶者暴力ですよ、それ」



「えっ、違うよ、いつもは優しいんだよ?」



「だから、そうなんですよ、それが」





しのぶちゃんは青筋を立ててズイっと近寄る。




行き場の無い身体は少し狼狽えて、床にへな、と倒れ込んだ。



「だめ、なに、しのぶちゃん」



近付いて、私を押さえるしのぶちゃん。



腕を掴まれて動けない。




「く、臭いから」




そう言うと、私の背を思いきりしのぶちゃんは叩く。



「あ、ぅ、えっ、おえっ、ぷ」





桶も無い床に白濁の液体が音を立てて、落ちる。




しのぶちゃんは随分と冷たい目で、それを見ると私を強く抱き寄せた。





「貴方の、膝の青痣、今の液体」




囁く声に何度も、ごめんねと謝ってしまう。



怒ってない、と首をふる彼女の息は随分と荒かった。





「私にして、そうしたら」



と、言う彼女が、しまった、と口を押さえる。




「そうしたら?」




追い打ちをかけた





そうすると彼女は、









「あの」





と呟いた。





紡がれた言葉は、想像していたものだった。

☆→



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紅葉(プロフ) - 両性愛者の件って、善逸君ですか? (2020年4月7日 15時) (レス) id: 9e5b6a6426 (このIDを非表示/違反報告)
ぶちゃ(プロフ) - あっっっっっ(尊死) (2019年12月18日 15時) (レス) id: fb2695ac36 (このIDを非表示/違反報告)
うぇい - んあ”っ!!、、、、好きィイィィィイィ!!更新頑張って下さい!!(・∀・)♭ (2019年12月15日 13時) (レス) id: 55820afc03 (このIDを非表示/違反報告)
レン - あぎゃああああああ見ました!!!!しのぶさん攻め攻めじゃないですかすき!!!!!!甘露寺ちゃんはどん攻め攻めになるのか楽しみです… (2019年11月28日 5時) (レス) id: a8756ff415 (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - まめさん» あ、ありがとごじゃいやす (2019年11月26日 18時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いぬお | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年11月25日 18時

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