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あっけらかんとした笑顔で息子が俺に言った。
「ただいま、父さん。」
まだおさまらない動揺が声を揺らした。
「たっ..........、ただいま父さんじゃねぇだろうが、いやお帰り、だしいつでも帰って来りゃいいんだけどよ........
問題はそこじゃねぇだろうよお前こんな突飛な.......」
俺がしどろもどろしていると、薄明は家族の荷物を運びながら事もなげに言った。
「だって父さん、事前にアポ取ると絶対に会ってくれないだろ。
孫にさ。」
そう言いながらスタスタと居間へ上がって行く。
親になってからというもの余計にと言うか、妙に肝が据わっちまって。そんな息子の背を追いかけた。
2人で腰を落ち着けて、居間の縁側から庭で戯れる息子の妻と、そして孫を遠目に眺めた。
風に乗って舞う沢山の花びらを、キャッキャと走り追っている。
.......くそう、白夜のヤツ、それであんな上機嫌だったわけか。
「..........別に、会いたくねぇってわけじゃ、なかったんだがよ....。」
「なぁに気後れしてるんだよ、父さんらしくもない。」
もごもご言っていると、ふいに薄明があちらに向かって口を開いた。
「A。おいで。」
その声に、思いきり固まっている自分が居た。
それを知ってか知らずか、薄明は何でもない風に駆け寄ってきた娘に話しかける。
「待たせたね、さぁおじいちゃんにご挨拶しよう。」
「うん.......。
えっと、
狭間、Aです。
おじいちゃん..............」
目を瞬かせるしかない俺に、もじもじした様子で孫が言った。
「ケーキ、買ってきたの。
食べてもいーい？」
あっはっは、と向こうで陽菜さんが笑った。
薄明もくっくと堪えきれない様子で笑いながら付け加えた。
「手土産、買ってきたんだ。
A、ずっとケーキのこと気になってたんだな。おじいちゃんと一緒に食べようなって言って買ったんだもんな。」
薄明に頭を撫でられながら、まだもじもじと俺の返事を待っている孫に、俺は必死に声を絞り出した。
「あぁ.........
食べよう、...............、
今すぐ、食べよう。」
高いが白夜に似た、涼やかな声が俺を撫でた。
おじいちゃん、と。
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泉(プロフ) - Lavenさん» サクヤは本名ではなくヒーロー名なので、ヒーロー活動中はヒーロー名表記を心掛けております。シーン表現として加味していただければと思います。 (2023年3月19日 23時) (
レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
Laven(プロフ) - 名前がサクヤって表示されたり、自分が入力した名前になったり分かりずらいです…｡ (2023年3月19日 22時) (レス) id: 0953f1e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 墨香さん» すみちゃぁぁぁぁいつもありがと...！ほんと、いつも君の言葉は私を掬い上げてくれる。筆をとったこと、後悔しないようにしてくれてありがとう。一緒に楽しめるように、がんばる。 (2022年6月20日 21時) (レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - じゃんみくさん» ありがとうございます！！サクヤにものすごいクソデカ感情を抱いて下さってるのめちゃくちゃ嬉しいです*楽しんでもらえるように、したいなぁ。 (2022年6月20日 21時) (レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - えぬさん» ありがとうございます！もしやエスプレッソ100票の方！？違ったらごめんなさい。Twitterやってます！izumi_morningですよろしくお願いします！せっっ先生！？なんて恐れ多いですが嬉しすぎます！ぜひお声かけて下さい* (2022年6月20日 21時) (レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉
| 作成日時：2022年6月19日 17時
