【勘違い】源氏の妹は【刀剣乱舞】 (ページ11)

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第６話ページ11

膝丸side

手入れ部屋は、二つ障子を開けたところにある。
今俺が居るのは札が置かれている場所だ。

そろそろAも目覚めている頃だろうし、色々聞きたいこともあるからな･･･と思いながら障子に手をかけたとき。

『死んだ･･･？』

待ち望んだ声が、そんな言葉を紡いだ。
死んだ？死んだって･･･何故、そんなことを？
傷がないからか？傷がなかったら死んだと、そう錯覚したのか？前の本丸では、そんなに酷い扱いをされていたのか？

生きている状態で、傷が治っている訳がない、ということなのか？

怒りがふつふつと沸き上がる。
そんな俺に、さらに追い打ちをかけるような言葉が届いた。

『あれ･･･？痛くない･･･服も、治ってる。これ･･･手入れ？？すごい･･･ほんとに、治るんだ』

･･･!?
なん、で、そんな･･･。
まるで、手入れを受けたことがないみたいなことを･･･？
そんなこと、ないよな・・・？

手入れなんて･･･当たり前に受けるものだぞ・・・？
だから、怪我が治ることが信じられないなんて、そんな反応をするのを止めてくれ。

耐えきれなくなって、勢いよく障子を開けた。

「A！！！！」

呆然と座り込んでいた小さな身体を抱き締める。
Aは、僅かに震えているようだった。(※急に抱き締められてパニクってただけ)
苦しかったんだな・・・怖かったんだな。

『兄、者･･･？？』

膝丸「･･･っああ」

信じられない、とでも言いたげな顔で呼ばれる。
･･･俺は、お前の本丸では折れたんだろう。
か細い声が不安をかき立てて、少し大きい声がでた。

『ここは･･･？』

膝丸「ここは俺達の本丸だ。兄者も居るぞ」

俺達の本丸、という単語に安心したのか、少し表情を柔らかくするA。(※最推しに会えると知って歓喜してた)
言葉では言い表せないなんとも言えないような感情が俺を満たし、少し力を強めて抱き締めた。

『兄者に･･･会える？』

兄者も・・・折れたんだろうか。
俺は、兄者やAをギリギリまで守ることができたんだろうか。
頷く。
これからは、いくらでも会えるぞ、という意味も込めて。

『(･･･これ夢じゃないなら僕パラダイスに転生したじゃん←)』

今まで凍りついていた表情が、やっと崩れた。
Aが、笑ってくれた。
その儚げな笑みを見て、俺は必ずこのAを守ると決意するのだった。