幸福様様な時間 ページ7
〜貴方side〜
着替え終えて表へ出ると、ベンチに座って待っている近藤さんの姿が目に入った。
「すみません、お待たせしてしまって。」
「いえいえ。どうでした、温泉は。」
「とても気持ち良かったです!丁寧な説明のお陰で、1つ1つ、存分に堪能出来ました。」
その後も温泉の事を熱く語り、子供のごとく盛り上がっている私を、優しげな表情で見つめている彼に気付いた。
その光景は、側から見ればまるで、1日の思い出を父親に話す娘のように見えるだろう。
「ご、ごめんなさい、子供みたいに…」
「あ、いや!そういうんじゃなくて!…なんか、楽しそうにしてるAさんを見てたら、幸せだなぁと思っちゃって…」
それを聞いて、先程の方との会話を思い出した。
『この温泉は特殊でね、幸福感に効くんですよ。』
「…私も、凄く幸せです。」
最初は、自分にだけ効くものだと思っていた。
だが、本来はそうではないようだ。
自分と、自分が大切だと思う人に効くらしい。
だけど今幸せに感じるのは、あの温泉の効能だけではないのだろう。
きっと1日ずっと、彼の隣で過ごせたから。
いつもは毎日会っているとはいえ、隣にいられる時間は数分間。だけど今回は、24時間以上。
勿論、時間だけじゃない。
沢山話をして、それでお互いをもっと知って____。
この過程があったから、今改めて幸せに感じる事が出来た。
「今日は来れて本当に良かった。…近藤さん、浮かれてる間に言っちゃいますね。」
「え...?」
「私…近藤さんが好きです。」
普段の私では、言うのは到底不可能な一文。
現に、これまではっきり"好き"と言えた事はあの日以来ない。
だけど今なら、今の私なら、言えると思った。
隣を見ると、驚いて顔を真っ赤にしている近藤さんの顔が映った。
「え、Aさん?!ど、どうかされましたか?!ね、熱とか?!あ、それとも
私、そんな反応される程言ってなかったのか...
何故か、申し訳ない事をした気分になった。
だけど、そんな吃りっ放しの彼を見て、思わず微笑んだ。
いつもと立場が逆で、なんだか新鮮だった。
「さ、私が正気に戻る前に部屋に戻りましょう。」
「え、ちょま、Aさん?!」
胸の内を悟られぬよう早足で歩き、彼と距離を置きながら部屋へ戻った。
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時