【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

俺の敗北リスマス ページ47

〜近藤side〜


水族館デートから1ヶ月と3日が経った今日、俺は今まで憎んで来たこの日を恋人と過ごす事が出来…


「へっくしょいっ！」

「近藤さん、風邪ですかィ？」

「埃が鼻に入ったんだろ。」


…ず、大晦日前の大掃除に勤しんでいた。

今日はAさんも仕事があると言っていたから、江戸には居ないし、とてもじゃないが、掃除をする気になんてなれない。


「はあ…仕事だから止められないけど、顔も見れないのは辛ェな…」

「Aさんですかィ？Aさんなら、江戸でのお仕事みたいですぜィ。」

「え、そうなの？！」

「ああ。道場復興の為に、体験教室をやってるみたいだぞ。」


彼女が仕事と聞いて、勝手に宇宙だと思い込んでしまっていた。
そんな自分の考え方の乏しさより、俺より先にトシや総悟が知っているのが、何とも言えぬ敗北感を増幅させた。

それであからさまに不機嫌になった俺に、トシがある提案をした。
"掃除が早目に終わったら、道場の方へ行く"、と。

それを聞いた俺は一気にやる気を出し、さっさと取り掛かった。
その時の2人の視線が痛く感じたのは、きっと気の所為だろう。

…気の所為、だよね？





本気を出した結果、屯所内の掃除が約1時間程で終わり、そんな俺にうわぁ...とドン引きした2人を引っ張り出し、恒道館道場へと向かった。

遠目で門が見える辺りから、沢山の人が門から出て来たのが目に飛び込んで来た。

如何やら、体験会は上手くいっているようだ。

全員出たところで、門の所まで走り中に入る。
門の前に居たのは、新八君とお妙さんだ。


「あ、真選組の皆さん！こんにちは！」

「順調みてェだな。」

「ええ、姉様の指導力の賜物です。」


俺も受けたいな…
思わずそう思ってしまった。

そうしている間に、奥から4人程歩いて来ているのが確認出来た。
1人はAさんだと思うが、あとの3人は一体……

ま、まさかッ！！


「あ、皆さん、いらしてたんですね。」

「おー、ケーサツのトップ陣が揃いも揃って物見遊山とは、世も末かねェ。」

「全くネ。そんな事よりクソガキ、酢昆布買ってくるネ。」

「こら、神楽ちゃん。そんな汚い言葉使っちゃ駄目でしょッ！お父さんはそんな子に育てた覚えはありませんッ！！」


何で万事屋と星海坊主殿が此処にィ？！

そう心の中で驚いている間に、Aさんが呼んだと本人から説明され、少しの安心感と、自分を選んでくれなかった敗北感で気が沈んだ。

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