【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

人生経験色々 ページ46

〜貴方side〜


話の流れで、出会ってから…一から話す事になった。
今こうして思い返してみると、半年も経っていない筈なのに、本当に懐かしく思える。


「正に"運命の出会い"って奴だったんだねェ。にしても、ゴリラも大したもんだねェ。こんな良い女落としちまうんだからねェ。」


その言葉に頭が上がらない。

確かに、先に近藤さんから思いを伝えられていたし、アプローチだって、直球そのものだった。
だけど、それを友達と出掛けるかの様な対応で流し、"男性"として意識しているだけで、"好意を向けられている男性"として接する以前に、忘れていた部分も少なからずあった。

だがそれは、それ程近藤さんは接しやすい方だという事。…とは言っても、彼にとって失礼で無神経であった事に変わりはないのだが…

出会ったばかりだとか、異性だからだとか、そんなものは全部取っ払って、どんな時でも真正面から接してくれる誠実さは、彼の人柄から自然と生まれたものなのだろう。

そんな彼だったから、私は……


「A様、心拍数が上昇しているようですが…お身体に異常ありませんか？」

「だ、大丈夫です。ご心配ありがとうございます。」


たまさんの前では、胸の内が丸裸になってしまう…
酔いで完璧に忘れてた…

そう思いながらも、再びお酒を吞み干す。


「まァ、人生色々あるからねェ。滅多に出来ない経験さ。誰かに何かしらの感情を抱くのも、大人になると少なくなっていくもんだろ？」

「……はい。出会った頃から、近藤さんには、本当に感謝しているんです。」


江戸に戻って来てから、沢山の感情を顔に出すようになった。

笑ったり、泣いたり、驚いたり、困ったり、焦ったり、ドキドキしたり…

勿論、近藤さんだけじゃない。
江戸で出会った皆と、宇宙で出会った星海坊主さんのお陰だ。

皆のお陰で、私はこうして幸せに過ごしている。
皆のお陰で、私はこうして笑っていられる。


「勿論、お2人にも。」


そう言い、私は2人に笑顔でお酒とオイルを注いだ。


「ありがとうね、A」

「ありがとうございます、A様」

「いいえ！」


これからも、こうして平和に過ごせる様にと願いながら、自分にもお酒を注ぐ。

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