亀と鶴 ページ45
〜貴方side〜
「こんばんは。」
「あら、随分珍しい客だねェ。」
今日朝早くから、万事屋の皆と妙達が旅行に出掛けた。何でも、銀時さんがあるイベントで優勝した時の景品で、2泊3日の宇宙ツアーの招待券が当たったんだとか。
キャサリンさんも確か何処かに…
久し振りに家で1人きりになり、再び本を借りて来た。……今度は転ばない様に、5冊だけ。
また訪れていないかと探したが、今日は本当に私1人だけだった。
帰って全て読み終わった頃には、すっかり日は暮れ、夜を迎えようとしていた。
このまま家で過ごすのも悪くないが、偶には外へ出て、あてもなく歩いてみたいと思い、有言実行した結果、スナックお登勢に辿り着いたのだ。
「今日は休みにして、若者と2人で…いや、3人で飲み明かそうかね。たま、看板閉まっといてくれ。」
「はい」
「い、良いんですか?閉めても…」
「大丈夫さ。どうせ来るのはむさ苦しい男共だけだからねェ。」
お登勢さんの周りには、いつも沢山の人達が居る。
それは、お登勢さんの人柄故だ。
言葉は少し荒々しく、遠回りな言い方をする時もあるけれど、その言葉の中には、ぎゅっと詰め込まれた愛がある。
そんな愛に背中を押されて、励まされて…まるで、
"母親"の様な存在だ。
そんなお登勢さんは、私の人生の憧れだ。
いつかこんな人になりたいと、心から思う。
「ほら飲みな、今日は私の奢りだ。」
「そんな、ちゃんと払いますよ!」
「こういう厚意は素直に受け取っときな、老い耄れの言う事は聞くモンだよ。」
「すみません、何から何まで…本当にありがとうございます。」
本当に、狡いなぁ…
大人の女性の懐の深さを身を以て感じ、2人で盃を酌み交わす。
そこからは、3人で色々な話をした。
普段の3人の様子や、此処に訪れるお客さんの話、お登勢さんの昔の話まで───。
やはり、亀の甲より年の功。
こうして色々な話を聴くと、時代が違うが、想像もつかない事が当たり前の様に起きている。
そんな事実を目の当たりにし、改めて自分が未熟だと訴え掛けて来る。
それでも凹まず、前進あるのみと飲み込むと同時に、残ったお酒を一気に呑み干した。
「ほう、なかなかいける口じゃないかィ。さて、そろそろ吐いてもらおうかね…」
「え、吐くとは、一体…」
「そんなの決まってるじゃないかィ。アンタとゴリラの話さァ。」
「え、……えぇ?!」
かなり抵抗したが、根負けし、お酒を呑んで顔色を誤魔化しながら、話し始めた。
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時