検索窓
今日:4 hit、昨日:27 hit、合計:124,676 hit

ゼロ距離より3歩手前へ ページ5

〜近藤side〜


「本当にすみません...」


そう言って、彼女は俺に思い切り頭を下げた。
食べている最中も何度か謝られたが、彼女は気が済まないのだろう。


「気にしないで下さい。…俺は寧ろ、興奮したというか...」


顔を真っ赤にして目を逸らし、食べ物を口に入れた瞬間、顔を背ける彼女が、とてもいじらしく、可愛らしかった。

…それがまあ、ムラムラしたというか...


「何か言いましたか?」

「い、いえ何も!」


幸い、彼女には聞こえてなかったようだ。


「痛みはどうですか?」

「さっきより、大分和らぎました。少しですけど、動かせるようになってきてます。」

「そうですか!そりゃあ何より!」


少しでも役に立てたのなら、こんなに嬉しい事はない。

すると彼女が、小さく言葉を零し、俺は耳を傾けた。


「こ、近藤さんが、傍にいてくれるから...」


な、なんて!と、誤魔化す彼女。
そう言った直後、また顔を背けた。

そんな彼女の手に、自分の手を重ねる。
それに驚いた拍子に、彼女は顔をこちらに向ける。

互いの目が合う。
そこに映るのは、互いの赤くなった顔だけ。

耳に届いてきたのは、自分の心臓の音。


「Aさん…良いですか...?」


その問い掛けに、彼女は小さく頷いた。

俺の理性は何処かに吹っ飛び、彼女との距離がゼロになろうとした時だった。


「A姉ェ!大丈夫アル…か…?」

「どうした神楽。何が見えた…ん…だ…?」

「もう、銀さんまで…一体何…が…」


万事屋達と目が合った。…新八君は兎も角、何でアイツ等ここにいんのォ?!


「ん、んんっ!…あー、邪魔したな。お邪魔虫はとっとと退散すっから。…ごめんな。」

「ご、ごめんない、無神経でしたね...僕、出かけて来るんで、どうぞごゆっくり...」


そう告げ、一度も顔を見ることなく、急ぎ足で退室していった。


「ごめんって何ィ?!何を勘違いしてんだァ!!いや、(あなが)ち間違いではないけど…じゃなくて!ち、ちょっと待ってェ!!」


誤解を解くため、俺は後を追いかけた。

幸福温泉→←看病又は世話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
284人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 近藤勲   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。