鈍感同士 ページ38
〜貴方side〜
「銀時さん、似合ってますよ!」
「だから、俺が着るんじゃねェって。」
試着室から出て来た銀時さんを見て、感心の声を上げた。
髪も整えられ、きっちりしている和服に身を包んだ彼は、まるで別人の様に見えた。
昨日、万事屋がある依頼を頼まれたらしいのだが、神楽ちゃんと新八は、妙を加えた3人で泊まりに行っており、2人の代わりに私が銀時さんと同行してしる。
「全く…とんだ依頼引き受けちまったぜ…まさか"結婚式の服を選んでくれ"なんてよォ…そんなん頼むもんじゃねェだろうが…」
「そればっかりは、否定し兼ねます…」
そう言って苦笑を零すと、彼は大きな溜め息を1つ吐いた。
依頼というのは、結婚式の衣装選びだ。
何でも、本人が来たにも拘らず、依頼内容は手紙に書いてあるからと、手紙だけ置いて帰ってしまったらしい。
すっかり気が沈んでしまった銀時さんをまあまあと宥めていると、私の顔を見て、何か小さく呟いた。
「…お前も着ねェ?」
「丁重にお断りします。」
きっぱり切り捨てた。
即答かよッ!と返ってきたが、こればかりは本当に勘弁してほしい…
「良いだろ?減るもんじゃねぇし。まあ、初めてのウェディングドレス…これが、私...?みたいな少女漫画的シーンは無くなるけどよ。」
「着る予定も無いのに着れませんよ…」
「何れは着るだろ、何れは。」
「百歩譲ってそうだとしても、銀時さんと妙より後ですよ。」
「あ?何で俺とお妙の後なんだよ。」
それを聞き、ある事を確信した。
この人は、私並みに自分の事に鈍感なのだと。
数日前、銀時さんの事が好きだと妙から告げられた。その前から、そうではないかと思っていたところはあったが、その話を聞いてから、銀時さんと居る妙を見て、とても幸せそうな顔をしていたのがはっきり目に映った。
それは、銀時さんも同様_____。
まだ自分の気持ちに気付いていないのなら、そっとしておこう。
何か、近藤さんと交際する前の私みたい…
そう思ったら、少し微笑ましくなった反面、恥ずかしさが募った。
「何で俺見て微笑んでんだよ、今更俺の正装姿が笑えてきたのかコラァ!!」
「い、いや、違いますよ!…ただ、懐かしい事を思い出して…」
「はぁ?何じゃそりゃ。」
彼が自分の気持ちに気付くのは、一体いつになるのだろうか──。
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時