【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

思い出は涸れない ページ31

〜貴方side〜


朝食を済ませて、いつも通りの家事をこなす。

洗濯しようとした時、2人の服が全く見当たらなかった。
きっと私に気を遣って、昨日のうちにでも洗っておいたのだろう。
洗濯くらいするのにと思いながら、自分の服を洗った。

洗濯を終え、自室の掃除と、身の周りの整理整頓をしようと思い、自室へ足を運んだ。
この間は仕事で出払っていて出来なかった為、かなり埃が溜まっている事だろう。

時間はたっぷりある為、いつも以上に丁寧に行った。
掃除が終わる頃には、すっかり綺麗になっていた。
本当に埃は厄介だと改めて実感した。

掃除を終え、荷物の整理をしていた時、懐かしいものを見つけた。

薔薇の花びらだ。

あの時、如何しても取っておきたくて、本に挟んでおいたのだ。
色は全く褪せておらず、況してや黒ずんでもおらず、当時と変わらない、綺麗な色をしていた。

今こうやって思い返すと、私はあの時から彼の事が好きだったのかも知れない。
自分でも呆れる程、疎いと思い知った。

あの時が、9月の半ば頃。もう11月も終わってしまう。
時の流れは本当に早い。

そこでもう一度、部屋を見回した。
今更ながら、ちゃんと帰って来れたんだなと感じた。

江戸に戻って、沢山の人と会った。
父上、一さん…新八と妙、神楽ちゃんとまた会えて…
銀時さん、土方さんや沖田さん、他の真選組の方達とも会って、知り合って…

そして、近藤さんと出会って…


そして、皆と色んな事をした。
遊園地に行ったり、道場で試合したり、秋祭りに行ったり、流星群を見に行ったり…

帰って来てから2ヶ月程しか経ってないのに、沢山の人と繋がって、沢山の人と笑い合って…

本当に、幸せな毎日だ。


こんな楽しい毎日が送れるのは、お父さん(星海坊主さん)のお陰だ。
宇宙から遠い江戸まで送り届けてくれた。
娘(私)の為に、地球で一緒の時間を過ごしてくれた。

ここまで、私を育ててくれた。
どんな状況でも、強く生きれる様に_____。

弱い人種である私を、決して放さず、本当の親の様に接してくれた。いつでも、どんな時でも。


ふと時計を見て、涙止剤を飲んで2時間経った事を知った。
その瞬間、何の前触れも無く溢れ出す涙を唯々流し続けた。涸れて出なくなるまで、ずっと。

薬の効果が切れたからなのか、感情が昂ったからなのか分からなくなる程泣いた。

唯今は、どんな形であれ泣きたかった。
唯ひたすらに泣きたかった。

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