決別は端的に ページ28
〜近藤side〜
今日も俺は、彼女の家に訪れた。
だが、目的はAさんに会う事じゃない。
"
今日まで見て見ぬ振りをしていたが、中途半端なまま終わらせるなんて、絶対あってはいけない事だ。
しっかり前を向いて、Aさんと一緒に歩んで行く為に、決別しないといけない。
いつも彼女が居る所に、今日はあの人が座っていた。
勇気を出し、強張りながらも声を掛ける。
「お、お妙さん…」
「あら、近藤さん。姉様なら今、仕事で出てますよ。」
知っている。
だから、この日を選んだのだ。
「あ、いえ、今日はAさんじゃなくて…お妙さんに用があって来たんです。」
「私に?…今更、何の用かしら?」
その言葉で、一気に変な汗が滲み出てきた。
笑顔や話し方に先程と違いは無いものの、僅かに殺気が出ている。
職業上、殺意を向けられる事なんか当たり前の様にある。だが、身近な人物…自分の好きな人物に殺意を向けられるのは、少なからず怖くなってしまう。
「お、俺を殴って下さいッ!!思い切りッ!!気が済むまでッ!!」
だけど、今はそんな事で怖がっている場合じゃない。
ちゃんと、決別するんだッ!!
「そうですか。それじゃあ、遠慮無く。」
そう笑顔で告げ、その状態のまま振り被った拳が、俺の顔にめり込んだ。
「…これで、貴方は満足ですか。」
「え、いや、その……お妙さんの気が済んだのなら、俺は…」
どうやら俺の考えは、彼女にはお見通しだった様だ。
急に気まずさが出て来、顔を逸らして地に伏せ続けた。
「少なくとも私は、清々してますよ。もう変な心配も対策もしなくて済んでるし…以前よりも、自分の事に専念出来てますし…だから、寧ろ感謝している位です。」
久々のまともな会話だった。
Aさんと出会ってからは、殴られてばかりだったし、以前も───。
だから、彼女の素直な意見が聞けて嬉しかった。
「…だけど、姉様の事だけは…絶対に手放さないで、見放さないで…絶対に"最期まで護る"って約束して下さい。破ったら、それだけじゃ済ませませんから。」
最後には、先程の様に笑っていた。
今日ずっと笑顔だったのは、これを伝える為。
俺は今、正式にAさんの事を"任された"のだ。
「はい、絶対に護ります。最期まで、絶対に手放しません。」
「頼りにしてますよ、義兄さん」
何の前触れも無く出た言葉に、俺は秒で固まった。
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時