【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

複雑な事だらけ ページ27

〜銀時side〜


部屋に戻り、Aの電話が終わるのを待つ。
聞き耳を立てている訳では無いが、声を聞く限り、何も問題無さそうだ。

仮にあったとしても、男女間で起こりえるものだろう。
そうでなくても、責任は真選組の奴らに取らせるけどな。


「…如何やら、問題無ェみてェだな。」

「そうですね…」

「如何したアル、新八。変な顔して。」

「いや、その…ちょっと複雑な気分だなって…」


新八の気持ちは、分からなくもない。
もし俺が新八と同じ立場だとしたら、同じ気持ちになると断言出来る。


「でも、姉さんが幸せなら、それで良いです。」


悩んでいる顔ではなく、笑顔でそう告げた。
さっきの顔からは考えられそうにない台詞だ。

…コイツは、本当に重度のシスコンだな。


「同感アルけど、お前気持ち悪いネ。」

「何でだよッ！！」


まあ、思春期の少女には、少し気持ち悪いだろうがな。


「…はい、こちらこそ。」


部屋の外からそう聞こえ、急いで自然な感じを装った。
そして、とぼとぼとAが戻って来た。


「お、終わったのか。い、行かなくて良いのか？」

「あ、いや…行かなきゃいけないんですが…」


恐らく、さっきの電話で気まずくなったのだろう。
察した俺は神楽を呼び、屯所に行って来いと指示した。
神楽も俺の考えを察した様で、直ぐに外へ飛び出した。

神楽が出て行ったのを確認し、その瞬間、その場で弱々しく溜め息を吐いた。

あのゴリラ、コイツには臭い台詞吐きまくってんだろうな。

今のコイツの状態を見ただけで、容易に想像出来た。
やれやれという気持ちで、Aに問いを投げ付けた。


「で、プレゼントを受け取った愛しの王子の反応は？」

「よ、喜んでくれていた様です…」


いつもなら、ここで何かしらツッコミが返ってくる筈だ。
ツっこむ力さえ残ってないのか…


「まあ、結果オーライなんじゃねぇか？」

「そ、そうですね…あ、依頼料…あ、でも服が…」

「姉さん！一旦落ち着いて下さい！」


アイツ…一体何言ったんだよ！
こんな挙動不審なA、初めて見たわ！！

考えあぐねていたところに、息が荒くなった神楽が、Aの服を持って帰って来た。


「ただいまネ！」

「お、お帰り、神楽ちゃ…わ、私の服！ありがとう、神楽ちゃん！」

「これくらいお安い御用ネ！ところでA姉…ゴリラと何処までイったアルか？」

「ええ？！」


追い討ちをかけられた姫を、助ける事が出来なかった。

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