負の連鎖 ページ24
〜貴方side〜
一瞬の出来事だった。
何が起きたのか、分からなくなる程に───。
その一瞬で、今まで以上に感情が昂った。
その感情が表に露わになる前に、彼に見られる前に、部屋を飛び出した。
その勢いのまま外へ出て、周りの目なんかくれず、唯々走った。
思考する度、あの出来事が…あの人の顔が浮かんできてしまって、何も考えられなかった。
少しずつ冷静さを取り戻す為に、その場で思い切り深呼吸をした。
まともに頭が回る様になり、気持ちを入れ替えると同時に顔を上げた。
するとそこから見えたのは、"万事屋銀ちゃん"の看板だった。
こんな所まで走って来たのか...
自分の猪突猛進振りに、羞恥心が出て来た。
依頼をしていた事を思い出し、依頼料を払う為、訪ねに行った。
玄関で一声掛けて出て来たのは、気怠さが売りの社長だった。
「はいはーい、今行きますよっ…て…はぁぁぁ?!」
何故か彼は私を見た瞬間大声を上げ、動かしていた足を止め、何度も目を擦って私を見た。
「…な、なあ、A...俺の見間違いか…?今日、ハロウィンじゃねェよな...?」
彼の言っている意味が分からず、自身に目線を変える。
普通なら忘れない、忘れてはいけない現状を、そこで漸く思い出した。
今自分が、"女隊士"である事を───。
引いた筈の熱が、またかと言わんばかりに舞い戻って来た。
そして、ここに来る前の出来事の辻褄が合った。
あの時、上手く頭が回らなかったが、通り過ぎる人が"何か事件か?"、"この世は物騒だねェ。"などという声が聞こえて来た。
それは、ある意味無心で走っていた自分を"狂人"と見做して発された言葉だと思っていた。
だが、恐らくそうじゃない。
住民達は、"走っている狂人"を見たのではなく、"走って事件現場へ急ぐ真選組"を見たのだろう。
隊服を着て、無心で走っていた事に対しての羞恥心よりも、町の人達に誤解を生んでしまった事に対しての罪悪感を憶えた。
複数の感情が入り混じって、また上手く頭が回らなくなって来たのが分かった。
「銀さーん、大声上げて如何した…って、姉さん?!その格好、如何したんですか?!」
「A姉ェェ!!何であんな奴らの服なんか着てるアルか?!誰の差し金アルか?!そいつぶっ飛ばして来るネ!!」
なかなか来ないのを不審に思ったのか、
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時