門前で ページ17
〜貴方side〜
「なあ...そろそろ入ったら?」
「じ、自分でも分かってはいるんですが...」
現在、私は万事屋へ依頼し、ある場所へ来ている。
それは...
「"彼氏の家"っつっても、所詮男だらけの場所だぞ。そんな緊張しなくて良いって。」
真選組の屯所だ。
場所は勿論知っていた。というより、交際する前から近藤さんに教えて頂いていたし、来ようと思えばいつでも来られた。
だが、いつも近藤さんが我が家を訪ねて来てくれていたので、行く余地がなかったのだ。
つまり、今日初めてここを訪れたのだ。
だから、先程からずっと緊張しっぱなしで、かれこれ10分程、門の前で立ち尽くしている。
「それに、初めて来た訳じゃねぇだろ?だったら、尚更緊張してる方が変だって。」
「そ、それが……」
そこで銀時さんに、一度も訪れた事が無い事を伝える。すると案の定、彼は見たことない程驚いた顔をしていた。
「マジかよッ!!逆に凄ェわ!!…でもよ、渡してェモンあるんだろ。」
「は、はい...」
そう、ただ私から会いに来ただけではない。
今日は、日頃の感謝を伝えに来たのだ。
いつも私の為に体を張ってくれているあの人にと思い、プレゼントを渡しに来たのだ。
「だったら、頑張ろうぜ。な?」
そう言って、彼は私の頭を優しく撫でた。
神楽ちゃんや新八の様に、この人の前では、私も子供と変わらないのだろう。
「ありがとうございます、銀時さん。…行って来ます。」
「おう、頑張れよ。」
もう一度姿勢を正し、門の前に立つ。
ゆっくり、ゆっくりと深呼吸をした。
そして改めて、門全体を見渡す。
一歩足を前に出した瞬間、先程の緊張が舞い戻り、思い切り足を引いてしまい、最初よりも門から遠ざかってしまった。
「何で最初より遠ざかってんだァ!!」
「ご、ごめんなさい...!冷静になって考えたら、緊張が戻って来てしまって…」
落ち着け私...落ち着け私...
そう心の中で自分を宥めても、一向に治らない胸の鼓動。
困り果て、同時に焦り始めた私の耳に、ギィーと門が開く音が聞こえて来た。
「あら、珍しい顔が見えますねィ。」
「おお、丁度いいところに。」
聞き覚えのある声が聞こえ、門の方へ目をやる。
門を開けたのは、沖田さんだった。
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時