しげside ページ4
何が起こったのかわからへんかった。
さっきまで前を歩いていたAの姿はどこにもなくて。
俺は手に持っているAの荷物をただ呆然と見つめるだけ。
望「A!!」
のんちゃんのその一言でやっと我に返った。
A「…ッ…」
車道で横たわったAの腕の中にはちっちゃな男の子とサッカーボール。
A「自分、大丈夫?」
男の子「うっ うん…」
A「なまえ、教えてくれへん?」
男の子「つっ、翼!」
A「翼くん。ボールも大事やけどな。翼くんとボール、どっちが大事やと思う?…翼くんはここにしかおらへんけど、ボールはまた買えんのやで?そしたら翼くんの方が大事やろ。だからな、勝手に飛び出したらあかん。わかった?」
翼「うん!おねーちゃんありがとう!」
A「おん!サッカー頑張りやっ」
翼「翼、ぷろさっかーせんしゅになって会いにいく!」
A「おー!待ってるで!楽しみにしとく!」
お母さん「すみませんっ私の不届きで、その、芸能人の方ですよね。申し訳ございません。なんて、お詫びしたらいいか…」
A「お母さん。お礼なんていいですから。翼くんがプロのサッカー選手になって会いに来てくれたらそれが、お礼です。」
…なんて、めちゃくちゃ、元気やないかい。
翼「おねーちゃん!バイバイッ」
望「A!怪我は!?」
A「自慢の運動神経のおかげでございませーん。」
嘘やろ。スーパーマンやんか。
照史「アホちゃうか。」
「そうやわ。ほんまに。」
照史「男の子の前に自分の命危険にさらしてどうすんねんっ」
古謝「ほんまにそう思う。」
A「…ごめん。」
「とりあえず、病院行くで。」
A「…嫌。」
そうやった。こいつめっちゃ病院嫌いやった。
「何もなくてもこんだけのことなんやから。」
A「なんもないなら行かんでええやろ。」
「あかん。」
A「嫌。」
こうなったら、絶対聞かへんやつやけど…
今回ばかりは事の大きさが違う。
「行くで。」
A「…嫌。」
「行くA「なんか変やったら絶対言うから!」」
「でも…」
A「絶対我慢せえへん!」
「…ほんま?」
A「絶対!」
「絶対?」
A「絶対!」
「…わかった。絶対やからな!」
こんとき、無理矢理にでも行かせればよかった。
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西嵐(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!コメントなかなかないので嬉しいです!こちらこそ、これからもよろしくお願いします! (2017年4月5日 22時) (レス) id: 6bf1702479 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - しげめっちゃ、かっこいい!続き楽しみにしています! (2017年4月5日 22時) (レス) id: 7b46f30bf7 (このIDを非表示/違反報告)
西嵐(プロフ) - 優子さん» 毎回コメントありがとうございます!これからもよろしく願いします!! (2017年3月28日 12時) (レス) id: 458b8c0176 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。後輩連れてご飯に行ったみたいだね。これからどうなるか?気になります。 (2017年3月28日 12時) (レス) id: 2f2289b391 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。シゲちゃん達優しい~ヤバい~続きが気になります。 (2017年3月15日 19時) (レス) id: 2f2289b391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西嵐 | 作成日時:2017年2月19日 22時