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『おー…流石に雰囲気が違うなぁ』
あれから1年ほど経って。
私たちは日本に戻ってきて、容姿を変え偽名を使いながら公安として仕事をしていた。このことを知っているのはレイと、偉い人と、あと同期くらいだ。
万が一にも生きていることがバレちゃいけないから、基本裏側からのサポートが多いんだけど、たまに法に引っかかってる可能性のある場所への調査が舞い込んできたりする。
『…ネット見ながら作ったんで不安なんですけど、今どきホストに通う女の子ってみんなこういう感じなんですか?』
リビングでヒロと話をしていた風見さんに聞いてみる。
ちなみに風見さんも私たちのことは知らない。
できる限り幼く、ってことだったから、黒のワンピースに、ジャラジャラしたアクセサリー、髪はツインテール。とネットには書いてあったが、28歳がツインテールは痛すぎるので毛先を巻いた。
「…その変装の技術にはいつも驚くな」
『基本メイクで顔面いじってるだけなんで、あまりバリエーションないですけどね』
調査してくる項目をまとめていると、ヒロの手が私の髪に触れる。
1回ばっさりした髪はあれから切ることなく、かなり長くなっていた。
「…あんまり無茶するなよ」
『日本のホストに調査に行ってそんなに無茶することがあったら大変じゃない…?』
「そうだけど…あー行かせたくないな〜可愛い…」
『…流石に人前でそれは恥ずかしいから落ち着いて』
٭•。❁。.*・゚ .゚・*.❁。.*・٭•。
…遅くなっちゃた。
思ったより調査に手こずってしまって、オープンからラストまでお店にいてしまった。
もう明け方だし、帰ってもヒロは寝ているだろう。
『…脚が寒い』
2月にワンピースは恐ろしいほど寒い。吐く息も白いし。マフラーを巻き直しながら、家に帰ったらまず寝て…報告書…などと考えていると。
「あのー…すみません、学生さんでしょうか…」
後ろから掛けられた声にびっくりして振り向くと、2人の刑事らしき人がいて、そのうちの1人は。
班長じゃん。
話を聞けば、どうやら私は未成年に見えているらしく、年確したいらしい。
確かに朝4時くらいの今、未成年が歩いていたら補導の対象になるから刑事としては無視できないだろう。
…未成年なら。
確かに幼く変装はしたが、班長。
私、あなたと同い年の同期なんですが…
偽名で生活している以上、本名の免許証や保険証を見せる訳にも…仕方ないか。
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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/
作成日時:2022年6月12日 17時