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『私たちって結局どういう扱いになるの?』


「まぁ単純な結論として言えば、2人は殉職ってことになる。しばらくそっちにいてもらって、ほとぼりが冷めた頃に戻ってきてもらって仕事もしてもらう。ただ偽名、完全な変装が前提」


詳細はまた連絡するから、と言うレイにお礼を言う。


「…友人としては君たちには証人保護プログラムでも受けてもらっておとなしくしてて欲しいけどね」


…それはちょっと私たちの間でも話したことだった。
でもまぁ性格的に合わないだろうし、何がしたいかを考えた時にその選択肢は消えてしまったんだ。
戻れなさそうだったら仕方ないか〜みたいな感じだったけど、私やヒロのあげた戦果的に上層部は私たちのことを手放したくないだろうな、っていう変な自信もあった。
まぁ私たちはどうすることもできないから、交渉はレイに丸投げする形になってしまったけど。


「…報告としてはこんなものだ。まぁそっちでうまくやってるようだし安心したよ。ちゃんと話はしたのか?」


その話がいわゆる世間話の意味じゃないことくらい流石にわかるので、一応…と濁しておいた。


「そういえば、俺はともかくAのことって組織になんて報告したんだ?」



『…嫌な予感がするんだよなぁ』



「その予感は当たっていると思うよ。『シンフォニー』は恋人の『スコッチ』を庇って死んだってことにした」


やっぱりね!!!
うっすら分かってはいたけど、改めて聞かされると恥ずかしくて頭を抱えてしまう。


『…私、組織でそんな情熱的なタイプじゃなかったと思うんだけど…信じてもらえた?』



「多分今のところは。恋は盲目だから…とか色々言ってしまったけど」


気だるげで、やる気がなさそうで。
でもかなり冷酷でやることはやる、みたいな女を目指して演じていたから、そんな女が恋人庇って死ぬなんてどこの映画だろう…。
頭を抱えながら、あれ…?と思い当たったことがある。


『レイ。もしかして私たちが恋人だって話を流したの、レイだったりする?』


「…そこまでしてない。いつもだるそうな彼女がスコッチの前では楽しそうに話すんですね、って君たちが関わりある人に話しただけで」


…なんてことをしてくれているんだ。
しかもそれがちゃんと広まったってことは実際私の態度はそう見えていたんだろうな…めちゃくちゃに恥ずかしい。

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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年6月12日 17時

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