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ちょっと突貫すぎたなぁ。
もう寝ようかな、という時間に、鏡の前で髪をいじりながら思う。
もうちょっと丁寧に切ればよかったかもしれないが、あの時は人を待たせてたしな。
ざくざく切ってしまったから変な箇所が多い。


「何してるの?」


『あぁ…髪、もう少し整えようかなって』


肩に顎が乗ってくすぐったい。
鏡に映るヒロは渡米する時に変装を兼ねて髭を剃ったから幼く見える。…童顔なのは人のこと言えないが。
この数日間ちょっと疑問に思ってたことを聞いてみることにした。


『ヒロって潔癖系だと思ってたけどスキンシップが好きな人?』


「へ?」


『結構くっついてくるから…好きなのかなと思って』


…なんかこういう元カノ系を探るような質問って変な空気になりそうだな、失敗したかも。
ごめんね、という意味を込めて(伝わってるかは知らないけど)、ほっぺたをぷにぷにとつついてみる。


「…彼女いたことないから、比較できる気がしないけどどうなんだろ。でも別に潔癖ってわけでもないけど…」


『…え』


「え?」


…なにも疑うわけじゃないけど、本当に?という気持ちになってしまう。


「…髪、直してるんだっけ?」


『そう。なにかリクエストある?』


「リクエスト…ここ、切ったらどう?」


『ここ?』


「そう。……長いの似合うなと思ってたけど、短いのも可愛い」


『長いのが好き?ならゆっくり伸ばそうかなぁ。染めてるから維持が大変そうだけど』


…そもそも髪を伸ばしてたのはアレンジして色んな雰囲気を出せるからであって、潜入が終わった今では髪型1つ新しく考えないといけない。
はさみ使うから危ないよ、と言えば離れてくれる。


「あっ。Aのこと呼びに来たんだった、零から電話かかってきて」


『え、あ、そうなの?先に行ってて』


片付けはもうあとでいいか、なんて思いながらリビングに戻る。
どうやらビデオ通話っぽい。
…メイク落としちゃった、と思ってたけどレイ相手に今更なにを気にするんだ…とも思って、そのまま画面を覗き込む。
レイがビックリしたような顔をするから、一瞬なんで?と思うが、自分の髪色が全然違うものになっていることを思い出す。


話を聞けば、この数日間でレイは組織への報告(偽装もりもり)、上層部への報告、そして上層部との喧嘩…すべてをやってくれたらしく、かなり申し訳なくなる。


「喧嘩ってほどのものじゃないよ。こっちの話を聞いてくれないからちょっと荒っぽくなっただけで」

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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年6月12日 17時

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