転生したら黒の組織から警察官になりました2【警察学校組】 (ページ21)

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番外編1 ページ21

ヒロが組織に潜入してコードネームを得る少し前の頃の話
※モブがいる

「なぁなぁ、お前ってアメリカにいる美人幹部のこと知ってるか？」

「おい、ちゃんと監視しとけよ」

そう注意すれば、笑いながらちゃんとしてるって、という声が返ってくる。
まぁこいつと出会って数日だが仕事はちゃんとする奴だよな、と思い直して「で、なんだって？」と聞き直す。

「だから、アメリカにいる美人幹部の話」

「いや、知らない。誰なんだ？それ」

「さぁ。この前一緒に仕事したちょっと俺らより偉い人が言ってたんだよ。笑わないし眠そうだけど、腕は立つし、なにより」

「なにより？」

「マジで、ガチで、ほんとに」

「くどいな、さっさっと言えよ」

そういえば、そいつは「美人なんだって」と言い出すから、呆れてしまう。

「俺たち、別に顔で仕事してないだろ」

「そうだけどー！ちょっと気になるじゃん！お前はなんないのかよ」

「えー…うーん…」

…美人な子、もう知ってるからなぁ。
あの子より綺麗な子、この世にいるんだろうか、なんて思いながら、警察学校時代の同期を思い出す。
俺と同じところに配属されたのは知ってるけど、本庁で姿はまったく見かけないし、連絡もつかない。
どこでなにをしてるんだろう。
アメリカにいるとんでもない美人の幹部って…まさか、まさかだよな？

「あっ、動いた」

隣にいたやつの声に身構える。
今は彼女のことを考えてる場合じゃないな、と気を引き締める。

٭•。❁。.*･ﾟ .ﾟ･*.❁。.*･٭•。

「元気にしてたか？」

偶然会った金髪碧眼の幼なじみにそう声をかければ、まぁそれなりに、と声が返ってきた。
あまり長い時間ここにはいられないだろう。
お互いあと少しでコードネームが得られそうになってる今、組織の信用を失うことだけは避けたい。

「そっちこそ、元気か？」

「んーまぁ、なんとかやってるよ」

あのさ、と言いかければ、僕は何も知らないですよ、と言われる。

「まだ、なにも言ってないだろ」

「なにを考えてるのかくらいわかりますよ。おおかた、アメリカにいる美人な幹部の話でも聞いたんでしょう？」

「なんだ、そこまで知ってるのか」

「僕も聞きましたから。まぁ僕的には興味無いですが、あなたは面食いですから」

「面食いって…そんなんじゃないよ」

「まぁ、あと少しです。ではまた」