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ヒロはびっくりしたような顔をして、そっと目を逸らした。


『え、なに、なんで』


「…だって、A、自分がどんな顔してるか、絶対わかってない」


『…?』


「…あー、いいよ、ごめんなんでもない。忘れて。…俺も、してない話あるからしていい?」


『…それはいいけど』


「………なにから言えばいい?」


『分からないよ。ヒロが思ってること、なんでも言えばいい。ちゃんと聞いてるから』


「…えー…もうずっと前から思ってることだよ。Aはさ、器用でなんでもできるし、お姫様みたいに可愛いかと思えば、変なとこで思いっきりよくてかっこいい所もあるし」


『あれ、なんの話?なんか方向性変わってない?』


「……俺がAのことが好きだって話してる」


『…え?』


ぶっ飛びすぎてて、全然分からない。
なんかもう全然分からないけど、ヒロは私が好きなの?
ただ困惑してるだけなんだけど、黙ってることをどう思ったのかヒロがまた話し始めた。


「そんな感じだから、Aがすごい特別な子に見える時もあるんだけど、でもたまにすごい近く思える時もあるし。だから…なんていうか、これからもっとたくさん知りたいなと思って。警察学校の頃は結局言えなくて、まして潜入中にこんなこと言えないから、ずっといつ言おうか迷ってた」


なんかもう、キャパオーバーが近い気がする。
顔がものすごく熱い。
耳まで熱いから相当だ。
待って、しかも警察学校って言った?


「…ずっと、独り占めしたかった。Aの、1番奥にいれるような、特別な人になりたくて。…改めて言うけど、Aが好きだよ。その…俺の事はどう思ってる?」


初めて聞いた好きだって言葉とヒロの目が私の中でぐちゃぐちゃになって、心臓の音が向こうに聞こえてるんじゃないかっていうほどにうるさい。


『…ちゃんと答えるから、待って』


ヒロの顔が見れないし、声が震えるし、最悪だ。
今どき、小学生でももっとまともな返事ができる気がする。



『…そうだったらいいなって思ってたから…なんか幼稚な感想になるけど、嬉しい』


同じ気持ちを返してくれなくて、全然構わないとは思ってたけど、それでも好きでいてくれたらいいなとは思っていた。


『…教えてあげる。私の奥底で、1番大切な人はずっと前からヒロだよ』


そう言ったら抱きしめられて、いよいよ私はキャパオーバーを迎えた。

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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年6月12日 17時

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