15-6 Side ミナ ページ44
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――桜スカッシュ。
昔、家族旅行で訪れたとある場所で飲んだ、ご当地ドリンクがある。
炭酸と、シロップの濃厚な甘みの奥に香る、柔らかな桜が独特だった。
当時は、その不思議な味が何となく苦手で、ほとんど口にせず父にあげた気がする。
けれども、ずっとその味が記憶に残っていた。
……儚くて、けれどもどこか強くて、妖艶な味が。
MN「レンさんって……なんだか、桜スカッシュみたい」
「え？」
ストローに口をつけたまま、レンがぽかんと瞬きをする。
日差しが反射してキラキラと光るグラス。
その中で、半分ほど減ったアイスラテと氷がカラン、と音を立てた。
思わず口にしてしまった心の声に、ミナは慌てて手を振る。
MN「あ、いや、違うんです！ えっと、その……」
そう言ってミナは、違うって何が、と自問した。
MN「レンさんって心は男性なんですよねっ！？ そしたら、恋愛対象は女性なんですかっ？」
話題を変えなければ、と焦る口から出た疑問に、ミナはなんてことを聞いてしまったのだろう、と内心自分を咎める。
この手の話題は、レンのような人間にとっては非常にパーソナルで繊細な話題だ。
しかし、一般的な性を持つ人間からすれば、どうしても気になる部分である。
聞いてしまったからには後に引けない。
ミナが真剣な目を向けると、レンは少しだけ困り顔を浮かべて視線を重ねた。
「まぁ、その……やっぱり僕は、女の人がいい、と思うかな」
戸惑いがちに言葉を選ぶレンが、なんとなく可愛く見えた。
MN「やっぱりってことは、今まで恋人は女の子だったんですか？」
興味が湧いたら止められないのが、ミナという人間だ。
こんなことまで聞いていいのかという不安と、好奇心が綯交ぜになってもはや心は混沌としている。
案の定レンはしばらく回答を迷って、だがやがて諦めた様に口を開いた。
「……そうだよ。デビューする前に付き合っていた人が一人だけいた。でも相手は今、男の人と付き合って幸せそうにしてる」
そう言って苦笑するレン。
ミナは嫌なことを思い出させてしまったかな、と自分の言動を後悔した。
「はは。そんな顔しないでよ。今はもう、吹っ切れてるから」
眉毛を下げるミナに、レンはそう言ってカラカラと笑った。
その言葉に嘘はないらしく、表情は随分晴れやかだった。
「僕も、次に進まなくちゃって思ってるんだ。まぁ、職業柄むずかしいんだけどね」
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グミカン(プロフ) - ポンポネッラさん» ポンポネッラさん〜!! 今回もありがとうございます…!! 主人公色々吹っ切れちゃいましたが、そんな彼（彼女）に一体これからメンバーたちはどう思うんでしょうか……!! たぶん作者の趣向的に一筋縄ではいかないと思いますが(笑)、今後も楽しんで頂けるよう頑張ります!! (2019年11月12日 18時) (
レス) id: 0414f38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
グミカン(プロフ) - 閔さん» コメントありがとうございます〜!! 最初からお付き合い頂いているということで……!! めちゃくちゃ嬉しいです……!! これからも読んで頂けるよう、更新頑張りますね。。ありがとうございます!! (2019年11月12日 18時) (レス) id: 0414f38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 続編作成おめでとうございます〜！ おっと……？もしやここにてメンバー達の恋愛感情に少し変化が……？！何だか怪しい展開ですね (wkwk) 今後もドキドキしながら読ませてもらいます。更新頑張ってください！ (2019年11月11日 10時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - 4章にもなって初めてのコメントですが...今までずっと読ませていただいていました。自分的には1章が出されてすぐ見ていた気もしますが......いてもたってもいられず、コメントしました。すごく魅力的なお話で大好きです！これからも頑張ってください。応援してます！ (2019年11月10日 19時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年11月10日 19時
