フリーホラゲー好きによる自己満足短編集

キミガシネ　ケイジ　リク ページ7

気づかれた。
気づかれてしまった。

気づかれないために、頑張って強気な風を装って、
酷いこと言ったのに。

どうして、気づいてしまったんだ。


「どうして、って顔してるね」

「……」


図星だった私はぶすっとして黙る。
この人はエスパーか何かなのだろうか。


「まず、周りに嫌われれば殺されるような状態で
わざわざ嫌われようとするのがおかしいと思ったんだよ」


なるほど、確かに多数決で殺されるなら、
周りに信頼されるように努力するだろう。

でも、逆に考えれば、自分を殺すかもしれない相手と
なれなれしくしたくないだけともとれると思うのだが。

それなのに……彼の観察眼には恐れ入った。


「何か理由があると思って探っていたら、話すときはいつも俯くか
どこか遠くを見ていることに気づいてね。今だって目を合わせてない」

「うっ……」


図星すぎて思わずうめく。鋭い……。

でも、他人の目が怖いのだから、仕方ないじゃないか。

眼には隠し切れない悪感情であふれかえっている。
人の眼を見ると、底のない闇を見ているような、そんな気分になるのだ。


「確証はなかったけど、カマをかけたらあっさり引っかかってくれたね」

「カマかけたんですか」

「ごめんごめん」


結局、最終的な判断は私の反応だったというわけか。

でも、いきなり『君、人間不信か何かだろ？』
と言われたらそれなりに反応してしまうものだ。

それと、自分の変わりやすい表情も確信した要因の一つだろう。

ころころ変わって可愛いと言われ、気に入ってた要素の一つなのだが。
……って、あんな男のことを未だに覚えている私も私だ。


「……正直、こうやって人と話すのも嫌です」

「……」


ケイジさんは黙ってしまったが、それを促しととらえ、
話を進めることにした。

どうして話そうと思ったのか、よくわからない。
人を信用していないはずなのに、流されてつい口を開いてしまった。

思えば、それが信頼をするきっかけになってしまったのだろう。


「人が、怖いんです。友達だといっておきながら陰で悪口言ったり、
散々愛情を注いでおきながらすぐ裏切ったりして」

「それは、実体験かな？」

「……はい」


本当に、人間観察にたけている。
それとも私が分かりやすいだけだろうか。

気になって頬をさすると、笑われてしまった。

〃→←〃

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