フリーホラゲー好きによる自己満足短編集

キミガシネ　ジョー　リク ページ47

私は今、最大級の混乱に見舞われている。
その原因は、塾の帰りに学校の前を通った時聞こえた会話。


「ほら！前に紹介してくれたろ！リョーコちゃん！」

「ああ……」

「めっちゃいい子じゃん、感動ー！」


自転車でパーっと走り去ったから聞き間違えているかもしれないが、
大まかな内容はあってるはずだ。

どういうこと？
田綱くんは、千堂院さんと付き合ってるんじゃないの？

ペダルを漕ぎながら、考えに耽る。

クラスの中でも何かと仲良しな二人。

前に犬のストラップ――かな？
分からないけど、千堂院さんが田綱くんに渡しているのを見た。

それ以降、田綱くんはずっと胸ポケットにそれを住まわせている。

てっきりカップルだと思って、諦めてたのに……。

でも、どっちにしろ私なんかが田綱くんと釣り合うわけないし、
もうそのリョーコちゃんと付き合ってるだろうし……。

すれ違うたびにちらっと見て満足する今の生活を続けた方が、
私は傷つかないし、向こうも迷惑じゃない気がする。

私の青春は、それだけで充分だ。


*


「可愛かろう」

「可愛い！今日なんかドネルケバブを一口で完食だぜ！
食いしん坊だよな〜！」


すっかり日も落ちて暗くなった校門の前。
時間のせいか人通りが少なく、さっき自転車が一台通った程度だ。

そんな場所で、俺はサラとリョーコちゃんの話に花を咲かせていた。

サラが紹介してくれたリョーコちゃんは、本当にいい子だった。
いろいろと学べたし、サラには感謝しないといけない。


「ドネルケバブを……え、デートしてきたのか！？」

「デートっつーか、相談？」

「ん、まぁ、それが目的で紹介したわけだしな」


そう、サラはリョーコちゃんを相談役として紹介してくれたのだ。
相談内容は、同じクラスのAちゃんのこと。

……というのも、俺はAちゃんに惚れているのだった。


今日リョーコちゃんと会ったのは、恋愛相談というわけだ。

始めは少しの羞恥心とともにサラに相談したのだが、
「私より女の気持ちがよくわかっている」と、リョーコちゃんを紹介された。

リョーコちゃんは目を輝かせながらたくさんアドバイスしてくれた。
最後に「明日から実践してね」とかも言われた。

……目指せ、両想い。

文字数が足りなかったので→←〃

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