被虐のノエル バロウズ シリアス？ ページ31
分かっている。
これは決して、許されることではないと。
それでも、市長のため、私は今日も"それら"を使う。
「……とても残念だと思っております……」
「……ええ、ですが、一つだけ方法があるのです……」
「……悪魔を召喚すれば……」
「……こんなところで終わっていいのですか……」
「……貴方には才能があるのに……」
「……大丈夫です、信念を貫いてください……」
言葉巧みにだまして悪魔を召喚させ、願いを言わせる。
そうすることで、彼らは
そして、それを促している私も、市長の役に立った。
それが、何よりうれしかった。
市長はこのラプラスを、平和にしようとしている。
そのために、悪魔の力が必要なのだ。
だからこれは、悪いことじゃない。そうだまし続けた。
市長の右腕として、ひたすら作業をこなすだけの機械のように、
私はただ働き続けた。
市長秘書として、市長のために。
そこに私情を挟んではならない。
……と思っていたのだが。
ノエル様を捕え損ねた私は、冷たいコンクリートに横たわっていた。
血が私の体から失われていく。
自分の命が消えゆくことが、身にしみて感じられた。
寒いのだ。しかし、その体を温めるように腕を抱くこともできない。
もう、体がいうことを聞いてくれなかった。
――果たして私は、市長の右腕として、カロン様の代わりとして、
十分に、市長の役に立てたろうか。
口から流れる血をぬぐう気力もない私は、とぎれとぎれに問う。
声を出すのもやっとだ。
そんな弱り切った私に、市長は優しく声をかけてくれる。
「……シビラ。今日までよく俺の手足として働いてくれたな」
「市長……」
そのねぎらいの言葉に、心臓が一度、跳ね上がった。
その言葉が聞けただけでも、秘書になった意味はあった。
「十分さ、ゆっくり休め。お前はもう、立派な……」
そこで市長はいったん言葉を切った。
――カチャリ
不意に、市長が私に銃を向けた。口角が上がっている。
……！
かすかに見開いた目に、夜空が美しく背景を彩った。
先ほどまでの幸福が噓のように消え去る。
裏切られた。
いや、何を言う。
今まで市長が人々を裏切る姿を、何度も見てきたじゃないか。
今更、それが自分になったぐらいで、この思いが揺らぐことはない。
「
……それでも私は、あなたをお慕いしています。
――バン
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瑠衣華(プロフ) - 幽輝＆華さん» ありがとうございます。誤字は普通に私のミスです、すみません。面白いといっていただけて光栄です。これからも作品作り頑張ります！ (2019年1月4日 21時) (
レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - クロノスタシスさん» コメント見落としていました、すみません。共感してもらえて嬉しいです！「実は生きてたりせんかなぁ……？」ってずっと思ってます (2019年1月4日 21時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
幽輝＆華(プロフ) - 被虐のノエルのオスカーさんのやつ、＜ジーノ管理官＞が＜ジーの管理官＞になってますよ？わざとだったら、すみません！！あと、ものすっごく面白かったです！これからも、頑張ってください！！ (2019年1月1日 1時) (レス) id: 0b112b624e (このIDを非表示/違反報告)
クロノスタシス(プロフ) - 吐きそうな程にアリスさん好きなんは分かる。キミガシネの2章前編ラストは分岐で、レコが死ぬかアリスが死ぬかだったかと……それ見てたワイ「どっちも死ぬなよォォォォ！」でした。ハイ (2018年9月16日 23時) (レス) id: 7e91a010ff (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - 雪さん» 共感してもらえてありがたいです。やっぱりショックですよね……。ホラゲキャラは本当に、みんな天使だしかっこいいし可愛いし、人生の癒しって感じです。 (2018年9月16日 21時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠衣華 | 作成日時：2018年4月14日 21時
