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「そうでした……それでは、お邪魔させてもらっていいですか？」
「おう」
足音を立てないようにあの空間を抜け出した私たちだったが、
そこまで気を付けなくとも、喧嘩をしている二人には気づかれなかった。
フーゴの後を追いながら、何気なく話しかける。
「まったく、ノエルもカロンも、本当に仲がいいですよね。
相思相愛なんだから、早く付き合っちゃえばいいのに」
「は？」
「え？」
フーゴはぴたりと足を止め、私をじっと見る。
何かいけないことでも言ってしまったのだろうか。
若干焦る私をよそに、フーゴは頭の手をやる。
「え！？頭痛ですか？」
「ああ……いや、なんでもねぇ」
「今確実に頷きましたよね！？」
壁にもたれかかるフーゴに、どうするべきかと迷う私。
医療に詳しい人って……誰だろう。
まだここにいる人間全員を把握しているわけではないので、
知識の豊富そうな人を思い浮かべる。
それとも、先に人に知らせた方がいいのだろうか。
フーゴの顔色を伺う私に、彼のつぶやきは届かなかった。
「……どう考えたって二人ともA大好きだろ。
さっきのノエルの発言とか聞いてなかったのか……？」
*
まぁいい、と、フーゴは切り捨てる。
分からないのなら、わからせればいいだけなのだから。
心配するAに大丈夫だと一言伝え、歩きながら話を聞いた。
実に真面目で心優しいAらしい悩みだった。
別に、何もしなくても咎める者などいないのに。
愛しくて仕方がない。
そういうところに――自分とは違うその白さに、
どうしようもなく惹かれていくのだ。
カロンも、ノエルも、ほかの奴らも、そして自分も。
何の警戒もなく部屋に入ってきたAを、そのまま床に押し倒す。
さすがにこれで、自分へあてられた行為にも気づくだろう。
この状況でどうやってとぼけられる。
好きでもない人間を押し倒す男がいないことぐらい、
Aだって理解しているだろう。
「なぁ、もう、わかんだろ」
耳元でそうやって囁くように問いかけると、
眼を見開き固まっていたAは再起動した。
「ああ、そっか、そうだったんですね」
ようやく気づいてくれた嬉しさから、笑みが浮かぶのを感じた。
しかし――
「……長所がないなら作ればいい。
なるほど、誰かに戦術を教わるという考えは思いつきませんでした。
まずは馬乗りになられた時の対処法ですね。お願いします、先生！」
「……ああ、クソッ」
鈍感すぎんだろ。
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瑠衣華(プロフ) - 幽輝＆華さん» ありがとうございます。誤字は普通に私のミスです、すみません。面白いといっていただけて光栄です。これからも作品作り頑張ります！ (2019年1月4日 21時) (
レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - クロノスタシスさん» コメント見落としていました、すみません。共感してもらえて嬉しいです！「実は生きてたりせんかなぁ……？」ってずっと思ってます (2019年1月4日 21時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
幽輝＆華(プロフ) - 被虐のノエルのオスカーさんのやつ、＜ジーノ管理官＞が＜ジーの管理官＞になってますよ？わざとだったら、すみません！！あと、ものすっごく面白かったです！これからも、頑張ってください！！ (2019年1月1日 1時) (レス) id: 0b112b624e (このIDを非表示/違反報告)
クロノスタシス(プロフ) - 吐きそうな程にアリスさん好きなんは分かる。キミガシネの2章前編ラストは分岐で、レコが死ぬかアリスが死ぬかだったかと……それ見てたワイ「どっちも死ぬなよォォォォ！」でした。ハイ (2018年9月16日 23時) (レス) id: 7e91a010ff (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - 雪さん» 共感してもらえてありがたいです。やっぱりショックですよね……。ホラゲキャラは本当に、みんな天使だしかっこいいし可愛いし、人生の癒しって感じです。 (2018年9月16日 21時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠衣華 | 作成日時：2018年4月14日 21時
