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『………』
おぼつかない足取りで少女はある丘に辿り着く。
そこはかつて、少女が少年と一緒に未来の約束を交わした思い出の場所であった。
しかしながら、美しかった景観はもう見る影もない。咲き乱れる花は踏み荒らされ、生い茂る木々は音を立てて激しく燃えている。
その光景は眼下に広がる町も例外ではない。それを目にした途端、崩れ落ちるように少女は地面に膝をつく。
『っ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"！！！』
それは、かつて｢白い町｣と呼ばれていた美しい王国の姿ではなかった。
真っ赤な業火が町を覆い、容赦ない勢いで少女の故郷を次々と消し去っている。
ある者は武器を構え、ある者は火を放ち、またある者は子を、親を連れて逃げ惑う。
鼻につく血の匂い、耳に残る断末魔、鳴り響く発砲音と爆発音。
少女の心は完全に壊れてしまった。
『どう、して………どうして、こんな、ことに………』
力なく垂れた少女の腕には真っ白な痣がいくつも浮かんでいる。光が消えた目からは止めどなく涙が溢れ、少女の頬を濡らした。
『みんな………っ、みんな、死ん、じゃった………』
震える両手で顔を覆う少女。
町のいたるところに転がる亡骸は全て少女がよく知る人々であった。
虚ろな目をした彼らの顔、苦しみに顔を歪めた彼らの顔………多くの変わり果てた姿が少女の目に焼き付いている。
ドオン!!
突如、激しい爆発音と共に何かが崩れ落ちる音が辺りに響いた。それに呼応するかのように、大地が激しく揺れる。
『………』
少女の目に入るのは炎に包まれる病院の姿。かつて国一番の名医たちがいたその病院を少女は静かに眺めていた。
『ずっと一緒って、約束、したのに………ローまで、私を置いてく、の………？』
震える声に答える者は誰もいない。
壊れた少女の心に在りし日の少年の姿が浮かぶ。泣き続ける少女とは反対に、思い出の中の少年は笑っていた。
『お願い、だから………っ、置いてかないでよ………』
少女の小さな叫びは暗闇の中へと吸い込まれ、瞬く間に消えていく。
その日、「白い町」フレバンスは滅亡した。
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うさこ - 続き楽しみです (11月2日 4時) (
レス) @page29 id: acedfd8679 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか？出来れば、トラファルガーローオチでお願いします🥺続き待ってます。頑張って下さいね。 (8月20日 2時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - もう、書いていただけないのでしょうかぁ… (2023年5月1日 19時) (レス) @page29 id: d3adcc0fb3 (このIDを非表示/違反報告)
*Noah*(プロフ) - ついに夢主を認識しましたか！キャプテンがこの後どうするのか、夢主ちゃんとどうなるのかすごく気になります！大変だとは思いますが、頑張ってください。応援してます！！ (2023年1月17日 17時) (レス) @page28 id: aaa7af5a28 (このIDを非表示/違反報告)
りりあさん。 - あ“あ”あ“あ”あ“続きまってますううう！！！！！！！ (2022年11月15日 21時) (レス) @page25 id: 60176f6c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チャシャ猫 | 作成日時：2021年8月23日 0時
