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智が百面相の私を見て笑う。
でも、これを止めるなんて無理よ、衝撃的すぎる！
「ようやく気付いてくれた」
「…早く言ってよ」
「自分で気づいてくれるの待ってたの」
「……」
確かに、としくんって言われたら、こんな顔だった気がしてきた。
いつも走り回ってて、いろんなことを教えてくれたとしくん。
学校帰りに小さな森に寄り道して帰りが遅くなって怒られたり。
ザリガニ釣りをして、としくんがそのザリガニを私のパーカーのフードに入れて大泣きして、としくんがめちゃくちゃ怒られたり。
それでも私はとしくんにつきまとっていたんだ。
そして、2年生になってしばらくして、としくんが引っ越した。
……思い出した。
としくんを見送りに行って、私大号泣したんだ。
「……思い出した」
「んふ、すげぇ。まじで？」
「私、見送りに行ったよね」
「引っ越しんとき？…ん。来てくれた」
「としくんに手紙渡した」
「すげぇ、まじで思い出してる(笑)」
「なんて書いたか覚えてないけど」
「だろーね(笑)」
ドキドキする。心臓が痛いくらい。
「Aの手紙、あるよ」
「え！！」
そう言って手に取ったのは、さっきのアルバム。
「かあちゃんが初めて俺がもらったラブレターだとか言ってアルバムに挟んでた」
「え！？」
家族の共有の思い出に私が！？
「ごめんね、まだあん時は家族に見せるもんじゃないとか分かんなくて」
「えっ、いいよそんなの！それよりそんなに大事にしてもらってたなんて……」
信じられない。嬉しい。
その手紙のページを見せてもらうと、泣きじゃくる智の横顔の写真と、小さい紙が一枚。
多分週番を切って、裏に書いたもの。
『としくんへ
とおくにいってもわすれないでね
ぜったいやくそくまもってね
けっこんしようね
だいすきだよ Aより』
「……」
「俺ら結婚する約束してたみてぇ」
「……」
「……A？」
……なにそれ、こんなのずるい。
泣けちゃうよ、泣かないわけないでしょ？
私の顔をのぞき込む智の肩に強めにグーパンした。
「んふ。泣き虫」
「いいのっ、こんなの泣けるし！」
「んふふ。……俺ねアルバムん入ってるからこれのこと覚えてて。だから初めて会ったときに確信したの。俺ら結婚すんだって」
「……」
「こんな再会して何もないとかある？Aすげぇかわいくなってるし」
「……」
「だからもう俺絶対ぇ離さないよ。もうAと離れるの無理」
*
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さゆ(プロフ) - こんにちは。とっても素敵なお話をありがとうございました(*´∀｀)何回読んでもぐっときます！妬いてるのも独占欲強いのもかわいい。まっすぐな智くんが素敵すぎです。また、智くんで書いてほしいなぁ。楽しみにしてます。 (2020年3月5日 12時) (
レス) id: b39ec88e32 (このIDを非表示/違反報告)
智恵里(プロフ) - うわぁーん(。´Д⊂)素敵すぎます！！幸せになってくれて良かった！！ (2019年11月18日 20時) (レス) id: 82290003ef (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - さぼてんさん» さぼてんさん、こんにちは！無事完結しました！次のお話もお付き合いいただけると嬉しいです♪ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ともさん» ともさん、こんにちは！楽しんでいただけたようでよかったです(*^_^*)コメントありがとうございます！ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ていくさん» ていくさん、こんにちは！お話、最後までお付き合いいただき、楽しんでいただけたようでよかったです(*^_^*)ニノのお話読みたいと言ってくれる方がいてよかった(笑)一歩踏み出す勇気が出ました(*^_^*)いつもありがとうございます！ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさこ
| 作成日時：2019年9月7日 0時
