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「その話はいいから」
とりあえずお茶を、って智がソファーに促す。
部屋を見渡して、やっぱ、女の子がいるからちょっと部屋の雰囲気違うわね、ってワクワクしたように言うお母様の態度を見て、私は疎ましい存在ではないのかもって少し安心した。
お茶とお菓子を出して、智がお土産を差し出す。
「これ。昨日旅行行ったから」
「気遣ってくれたの？悪かったわねぇ」
「ただの饅頭だし」
「智に言ったんじゃないの。えーっと…」
そうだった！まだ自己紹介……！最悪！
「私、松田Aと申します！」
「え？」
「、」
軽く頭を下げる私に、一瞬お母様の表情が固まって焦る。
自己紹介の仕方間違えた？
「松田…Aさん？」
「はいっ」
「え？それじゃあ……」
お母様と智が顔を見合わせる。
智はなぜか笑っていて、一体どういう対応なのかさっぱりからない。
「ねぇねぇ、さっきのアルバムみない？」
「、」
智が楽しそうに言う。
急な展開だな！
お母様が持ってきてくれたアルバムは、全部で3冊。
生まれた頃のものと、幼稚園、あとは小学生の時のもの。多分3、4年生くらい？
ふたりがページをめくりながらあーだこーだ言って、懐かしいわねーって優しい顔をするお母様の表情が智に似ていて。
それを横目でみながらきゅんとしたりした。
生まれた頃の智はもうただただかわいくて、幼稚園の時はやっぱりやんちゃ坊主な顔してる。
小学生はやんちゃに磨きがかかったようで、舌を出しておちゃらけたりしてて。
あ、手に包帯ぐるぐる巻き！
……うふふ、かわいい。
「あ！これこれ。智の初恋の子。」
お母様が懐かしそうにその写真を見つめる。
うふふ、智のちょっと緊張したような表情がかわいい。
……でも初恋の子、小さいな。
ランドセル背負ってるから小学生だけど、智ってばこんな小さな子、…………て、あれ…？
「…………」
目を疑った。
え？なんで、なんで？
「……この子……」
「んふ、気づいた？」
「え……、、え？」
うそ、そんなわけない、だって知らないのに、
「この子俺の初恋の子。Aっていうの」
「、」
顔を上げると、目尻にシワを作って今にもとろけてしまいそうな優しさに溢れた智が、んふふって笑ってた。
「あら、じゃあ本当にAちゃん？そうよね、名字も同じだものね」
お母様が納得、といった様子で何度も首を縦に振る。
そう、智の隣に映っていた初恋の相手。
……小さい頃の私だ……
*
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さゆ(プロフ) - こんにちは。とっても素敵なお話をありがとうございました(*´∀｀)何回読んでもぐっときます！妬いてるのも独占欲強いのもかわいい。まっすぐな智くんが素敵すぎです。また、智くんで書いてほしいなぁ。楽しみにしてます。 (2020年3月5日 12時) (
レス) id: b39ec88e32 (このIDを非表示/違反報告)
智恵里(プロフ) - うわぁーん(。´Д⊂)素敵すぎます！！幸せになってくれて良かった！！ (2019年11月18日 20時) (レス) id: 82290003ef (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - さぼてんさん» さぼてんさん、こんにちは！無事完結しました！次のお話もお付き合いいただけると嬉しいです♪ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ともさん» ともさん、こんにちは！楽しんでいただけたようでよかったです(*^_^*)コメントありがとうございます！ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ていくさん» ていくさん、こんにちは！お話、最後までお付き合いいただき、楽しんでいただけたようでよかったです(*^_^*)ニノのお話読みたいと言ってくれる方がいてよかった(笑)一歩踏み出す勇気が出ました(*^_^*)いつもありがとうございます！ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさこ
| 作成日時：2019年9月7日 0時
