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結局、寝る前にもう一回そういう雰囲気になって。
さて今から…、って時に智が急に何かを思い出したように動きを止めた。
「……どうしたの…？」
「忘れた」
「え？」
「指輪…忘れてた」
「あ、」
「着けてするっつってたのに、………まじか」
ひとりでぶつぶつ言いながら、近くに置いてあるバッグの中から小さい箱を取り出した。
丁寧に結んであるリボンを智が当たり前のように外したからそれがおかしくて、思わず吹き出す。
「……なに」
「ふふ、だって普通こういうものはもらう方が開けるんじゃないの？」
「そうなん？俺がAに指輪はめたかったからやっちゃった」
"ごめん"って謝るから、気にしないでって顔の前で両手を振った。
「じゃあ……手出して」
「……うん」
緊張の一瞬。
右手を指し出すと、ちょっと唇をむうっとさせてから、それを飲み込むように唇を噛んだ。
……もしかして、左手にって思ってくれたのかな。
「……練習しとく？」
「へ？」
「左手で」
さっきお店で左手でも、って言われたとき、正直戸惑った。
嬉しいけど、そんなすぐにどうこうとか考えてなかったし。
でも、智とのそういう生活を想像してみたらやっぱり幸せだと思うから。
だからちょっと、智に私の気持ちを少しでも分かっておいて欲しかった。
私も智がいいんだよって。
「……いいの？」
鳩が豆鉄砲食らったような驚き顔がなんともかわいい。
首を縦に振ると、嬉しそうに目尻を下げた。
「んふ。やべ、急にきんちょーしてきた」
「本番でもないのに(笑)」
「本番も出来んの？」
「…出来ないの？」
「だから俺はAがいいならすぐにでもいいって」
「私に決定権委ねられてる(笑)」
「だってA、まだやでしょ？」
「…私がいいって言うまで待ってくれるの？」
「本当は待ちたくねーけど、Aが本当に俺と一緒んなりたいと思ってくれたら結婚しよ」
"結婚しよ"
なんなんだ、この爆弾は。
ちゃんと言ってくれた"結婚しよ"に、ドキドキが止まらない。
……あれ。今すぐでもいいかもって思ってきちゃんた…
左にはめてもらった指輪は、右利きの私にはやっぱり少し緩くて。
でも嬉しい。
とてつもなく嬉しい。
目の前で喜びをかみしめてる智の表情が、私の心を思いっきり揺さぶった。
「……シよ」
「……うん」
*
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さゆ(プロフ) - こんにちは。とっても素敵なお話をありがとうございました(*´∀｀)何回読んでもぐっときます！妬いてるのも独占欲強いのもかわいい。まっすぐな智くんが素敵すぎです。また、智くんで書いてほしいなぁ。楽しみにしてます。 (2020年3月5日 12時) (
レス) id: b39ec88e32 (このIDを非表示/違反報告)
智恵里(プロフ) - うわぁーん(。´Д⊂)素敵すぎます！！幸せになってくれて良かった！！ (2019年11月18日 20時) (レス) id: 82290003ef (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - さぼてんさん» さぼてんさん、こんにちは！無事完結しました！次のお話もお付き合いいただけると嬉しいです♪ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ともさん» ともさん、こんにちは！楽しんでいただけたようでよかったです(*^_^*)コメントありがとうございます！ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ていくさん» ていくさん、こんにちは！お話、最後までお付き合いいただき、楽しんでいただけたようでよかったです(*^_^*)ニノのお話読みたいと言ってくれる方がいてよかった(笑)一歩踏み出す勇気が出ました(*^_^*)いつもありがとうございます！ (2019年11月18日 11時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさこ
| 作成日時：2019年9月7日 0時
