検索窓
今日:11 hit、昨日:4 hit、合計:101,465 hit

ページ21

.









「久しぶりやわ〜」


「私も!」





変わらないフェンスの下に空いた穴


2人でくぐって






「しーっ」って人差し指を口元に置きやってくるトモと階段を上る


前と何も変わらない屋上






「よいしょ」って並んで座って携帯を見ると


始まる2分前






「写真撮ろ」って勇気を出して言うと「うん」って嬉しそうに頷いて


肩を組んでくれる






私が構えたカメラに私より可愛い笑顔を向けてシャッターを切る



それと同時に「ヒューーッパンッ!!」と大きな音がなり


真っ黒のキャンパスに大きく綺麗な花が咲いた






本当に綺麗な時には「うわー」とか「きれー」とかそんな言葉しか出なくて




不意に私の手に重なる彼の大きなでの温かみにキュンとする







「今年もこれ見れて、ホンマに嬉しかったわ」


「私も…トモ来れたのが嬉しい」




花火が私を素直にする







「…俺、Aと来れてよかったわ」


「…ふふ、私も」


「顔赤くなっとるで」


「トモもね」




「花火のせいや」って彼は笑うの








「好き」本当はそう言いたかった



でも、昔からの近すぎる距離感が私をそうはさせてくれへんかった







「好き」


「…え?」


「俺、ずっと前からAが好きやった」




「え?え?」としか言えないパニック状態で







「Aは?」


「……私も…好き」




トモから目をそらす


大きな音と共に花火が打ち上がる







花火を眺めるとトモの顔が寄ってきて



私にひとつやさしいキスを落とす







それから花火が終わるまで一言も話さず


花火大会が終わった






「帰ろっか」って言われ学校を出る


今まで感じたことの無い2人の雰囲気の中を


下駄の音だけが響く







「…来年もまた行ってくれる?」


「もちろん」


「ありがとう」


「うん」





家の前で別れる


また、約半年彼とは会えへん






「トモ!」


私は勇気をだして彼を呼ぶ





「ん?」


「好きって言ってれて嬉しかった。私も大好き……それだけ!おやすみ!」




「A!約束の日。俺は忘れへんよ!来年も楽しみにしてる」





そう言って爽やかな笑顔で手を振る









トモ、私に青春をありがとう








大好きです









fin.

.




next→「舞桜」 main)中間淳太

150票以上で更新します

感想など頂けたら嬉しいです




.

Vol.4→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (366 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
380人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

raf.(プロフ) - あいのすけさん» コメントありがとうございます。最新話更新致しました。これからもよろしくお願いします。 (2020年1月20日 22時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
あいのすけ(プロフ) - すごくほっこりしました、素敵な作品ですね!応援してます、更新頑張ってください! (2019年12月5日 1時) (レス) id: f10e75a825 (このIDを非表示/違反報告)
raf.(プロフ) - 涼子さん» コメントありがとうございます!現在絶賛執筆中ですので少々お待ちください!これからもよろしくお願いします。 (2019年10月16日 8時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
涼子 - 流星君、すっごく良かったです!照史君の作品も楽しみにしています!頑張って下さい。応援しています! (2019年10月15日 10時) (レス) id: 1a62da02fe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:raf. | 作成日時:2019年10月14日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。