お兄ちゃんと私 (ページ44)

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弱音2ーあなた×智ページ44

おいらはAちゃんを連れて病院内にあるベンチに腰掛ける
心地いい風がおいら達の頬をかすめる
あったかいな．．．

『気持ちいい風だね？』

智『そうだね、おいら寝ちゃいそうだ(笑)』

『忙しいの．．．？』

智『ドラマの撮影中だからね』

『そっか』

智『Aちゃん思ったより元気そうでよかった』

『ねぇ智くん．．．？』

智『んー？』

『私ね、おにぃに似合う妹にならなきゃって必死で．．．無理して笑ってる時もあったんだ』

智『うん』

『でも本当はおにぃに助けて欲しくて、無理しなくていいんだよって言って欲しくて．．．』

智『おいで．．．』

気づいたら涙が頬を伝ってて
智くんの大きくて優しい手が私を包み込んでた
智くんの手．．．すごくあったかい
おにぃやお母さんの手みたい

『あのね、私．．．』
涙で前が見えないや

智『慌てないでいいよ、ゆっくりでいいから。』
おいらはそういいながら背中を撫でる
小さな身体だね、この小さな身体にどれだけの悲しみを背負ってるのかな．．．
おいらはその重い荷物を降ろしてあげられる？
軽くしてあげられる？

『私みんなと違うから．．．みんなの身体みたいに強くなくて．．．私の身体は不良品だから、傷だらけだから』

智『そんなことないよ？Aちゃんの身体は不良品なんかじゃない』
おいらはAちゃんの手を掴んでおいらの胸に当てる

『．．．』

智『おいらの心臓、ちゃんと動いてる。ドクンッ．．．ドクンッ．．．ってちゃんと鳴ってるでしょ？』

『うん』

智『Aちゃんの心臓は？』
そういっておいらの胸にあったAちゃんの手を彼女の胸に当てる

『動いてる』

智『うん、Aちゃんの心臓もちゃんと動いてる。おいらと同じようにドクンッ．．．ドクンッ．．．って鳴ってる。』

『．．．っ』

智『どんな人でも同じように心臓は動いてる。心臓ってね凄いんだよ？おいら達が寝てる時も休まずに動いてる頑張り屋さんなんだ。Aちゃんの心臓もおいらと同じ。もちろん翔くんや相葉ちゃんや松潤．．．もちろんにのもね。みんな同じなんだよ』

『．．．』

智『誰の身体も不良品なんかじゃないよ。傷があるのはAちゃんが頑張った証拠でしょ？恥ずかしいことなんかじゃないんだよ？』

『でも．．．こんな身体じゃみんな嫌がる』