お兄ちゃんと私 (ページ38)

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カウンセリング2ーあなたside ページ38

ねぇ、神谷先生？
おにぃはこんなダメダメな妹でも嫌じゃないかな？
大好きだって頭撫でてくれるかな
本当はすごく怖いんだ
おにぃが私から離れていきそうで
Aなんて嫌いだ！俺に妹なんていないって言われそうで
考えたらダメだって分かってるけどどうしてもそんな思いが頭の中を巡ってて

一時間くらいしてカウンセリングは終了
神谷先生は笑ってまたねって言ってくれた

それから先生と神谷先生が話し合ったみたいで
私の入院が長引くことになった
まあ予想はしてたけどね

病室に戻ったら閉めてったはずの窓が開いてた
え？だれかいるの？

そっと中に入ると見慣れた
でも懐かしい猫背の後ろ姿
おにぃだ．．．

ふいにおにぃが振り返って
私たちは久しぶりに顔を合わす
でも私の心はおにぃを拒否してるわけで

和也『あ、A．．．』

『！！っ．．．なんでいるの？』

和也『洗濯物取りに来た』

『帰って．．．』

和也『もう帰るよ。花買ってきたから花瓶に入れとくな？好きだっただろ、カサブランカ』

『いい！要らない！帰って！』

和也『わかったわかった、もう帰るから』

『これも持って帰って！こんなの要らない！』
おにぃが持ってきた私が大好きな花
それを花瓶から抜いておにぃに投げつけた
本当は嬉しかったんだよ
でも．．．

和也『っ．．．！』

おにぃに投げつけた花はおにぃにあたって
おにぃの服も床もびしょびしょ

でも私の心はそんなんじゃ晴れなくて
気づいたら花瓶を手に持ってた
投げちゃいけない頭では理解してた
これを投げたら大好きなおにぃが怪我するってわかってた
でも私の心は怒りの感情しかなくて．．．

『―――っ』

和也『わっ！』

気づいたら投げてた
花瓶が割れた音を聞いて先生たちがやってくる
神谷先生も一緒みたい

目の前には頭から血を流して頭をおさえてるおにぃの姿
おにぃの周りは血だらけで．．．
私の手は気づいたらこれでもかってほど震えてた

豊崎『和也くん！！』

和也『．．．っ』

豊崎『大丈夫かい？とにかく手当てが先だ！和也くん立てるかい？』

『．．．や、や．．．いやぁぁぁー！』

和也『大丈夫です．．．それよりAを．．．』