【荒北靖友】キミが教えてくれた愛

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だんだん上がるお互いの息。




｢ねえっ…今だけ、好きって言って？｣




彼を感じたくて


今だけでいいから私だけを見て欲しくて


私に被さる彼にお願いする。




｢好きっ…｣



｢んっ…もっと…｣



｢はぁっ…好きだよっ…｣




自分でお願いした偽物の言葉に 少し嬉しくなる。


今だけでいいから私を見てよ。


私を通した他の誰かじゃなくて


今、この瞬間ぐらい私を見てくれてもいいじゃない。


でも そんな小さな願いすら届かない。





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隣で眠る彼の顔を見てため息が出る。


寂しさを埋めるための行為なのに


私の心の穴は塞がらない。


寂しい と言うか、虚しい と言うか


よくわからない感情が胸を渦巻く。


こんな関係もうやめたい。


心では思っているのにやめれない私は馬鹿だ。




こんな私を救い出してくれる人は現れるのだろうか。


根拠はないけど、


この現状が変わる何かが起こる気がして


少しだけ期待しながら眠りについた。





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