11 ページ11
HS side
気づいたら、好きだった。
入った会社がたまたま一緒で、
なった部署もこれまた、偶然。
明るくて、優しい笑顔を
最初は見てるだけで満足だったのに
いつしか俺に向けて欲しいと思うようになった。
俺のモノにしたいって、思った。
だから、『明日、空いてる?』ってきた時は
本当に嬉しかった。
ノリでデートとか言ったけど。
そうであって欲しい気持ちも強かった。
次の日、待ち合わせに遅れてきたA。
いつもは会社だからワンピースなんて着てないし、
露出多いから目のやり場に困る。
あ、俺会社以外で得したな。
俺が選んだ店で買い物してる時、
Aが服をあてて選んでくれてるの見て
彼氏彼女みたいかな、なんて思ったりして。
JN「Aちゃん?」
その夢はすぐに壊されたけど。
最初は友達かな〜って思ったけど、
『ソクジンさん』
いつも俺に向けてる笑顔が他の男に向けられてるのを見て
自分でも驚くくらい胸がざわっとした。
頭より体が先に動いて、Aの手を掴んでいたし。
混乱している彼女を見たら気持ちを伝えなきゃいけない気がした。
Aが離れていってしまうようで。
HS「好き」
まだ、行かないで。
あいつの良心に無理やりにでも漬け込んで
引き止めようとした俺は馬鹿だ。
Aは苦しそうな顔をしたけど
『ごめん』と言って行ってしまった。
あー、フラれたかな。俺。
その場に立ち尽くすことしかできなかった。
181人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りんごリラックス | 作成日時:2018年9月7日 0時