最強の隣を歩く最強

(8)朝。 ページ11

八月十六日の昼頃。
一方通行は目を覚ました。
傍らには何故か、黒神風がいた。何やら心配そうに一方通行の顔を覗き込んでいる。

黒神風「起きた？」

言葉では返さず、軽く頷くことで応える。
なら、と笑いながら黒神風が言う。

黒神風「ファミレス行こーぜー」
一方通行「へいへい」

のそり。と動く一方通行を見た黒神風は、思わず笑いそうになった。抑えるために後ろをむいた、その時、
ドサッ
と、音がした。
なにかが落ちたような。
一方通行の部屋に、落ちるような物はない。
となれば、答えはひとつだ。

黒神風「一方通行？」

一方通行の返事がない。
不審に思い、振り返る黒神風。
すると、




一方通行は 倒れていた




黒神風「一方通行！？」

一方通行は浅い息を吐き出していた。
とめどなく汗を流していた。
顔がいつも以上に青ざめていた。
どれをとっても、調子のいい状態ではない。

とりあえずベッドに寝かせ直す。
効果があるかはわからないが、能力を使って周囲の空気からほこりやウィルスなどの異物を取り除く。

一方通行「A…」
黒神風「一方通行？どうしたんだ！？どっか具合でも悪いのか！？」
一方通行「俺、は…」

こんなことをしていてもいいのか？

いつになくたどたどしい口調で紡がれたその言葉に、黒神風は目を見開く。
一方通行は、涙を流しているようだ。

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