【CS】青色 (ページ8)

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一番古い記憶ページ8

【一番古い記憶】
何歳の出来事か：16歳

彼は中高一貫の私立の学園に通っていたのだが、
その時彼はまあまあ酷いいじめに遭っていた。
理由は「背が低い癖に毎回テストの順位が高いのが気に入らない」である。

勿論いじめは辛かったので両親や先生に相談したら、
より酷いいじめを受けるようになったので相談するのはやめた。
それでも学校に行けたのは、大親友であった佐里波琉真(さりはるま)の存在のお陰だった。
いじめられている時は庇ってくれるし、
いじめっ子に呼び出されないように彼の友達と一緒にいさせてくれた。
彼との関係はずっと続くと、緋色は思っていた。

しかしある日、屋上に行った時、波琉真が誰かと話している姿が見えた。
緋色は何を話しているのかが気になり、こっそりドアの隙間から見ていた。
話している相手はなんと…いじめっ子だった。
その事に驚きながらも、話を聞き続けた。

「いやー、お前の演技凄いよなーww」

「緋色のやつ、完全にお前の事信用してんじゃんww」

「お前どうやったら上手くあいつを騙したんだよー！ww」

…緋色は「えっ…？」と思った。
しかし、無常にも彼らの話は続いた。

「そんなに難しくねーよ！w」

「ただ、緋色が馬鹿なだけだよ！wwww」

…波琉真が緋色に優しくしていたのは、あくまで、いじめの一環だった。
そんな現実を受けれなくて、
そんな現実を受けれたくなくて…。

緋色は泣きながら走った。
…その結果、彼は階段から落ちてしまった。

本人はこの事を覚えており、この記憶は彼の心を締め付けている。
毎晩この事を思い出しては泣いている。
以前は人間不振気味になってしまったが、現在はかなり改善した。
波琉真には裏切られたが、それでもまた彼と仲良くなりと思っている。
ただ、今現在波琉真が何処にいるかは誰も知らない。