6章 恋の継手 ページ19
今日は、智君と初めてキスをした記念日だ。
私は自分の手帳に飾れるだけの装飾を、今日の日のカレンダーに施した。
智君の現場が早めのお盆休みに入って、そろそろ二度目のデートが出来ないかなぁって、下心で智君に電話で連絡をした時のこと。
｢わりぃ。今から仕事に行くわ｣
がっかりを隠して、お盆休みなんじゃないの？って聞いたら、近所の幼稚園からの依頼で、園庭に小屋を作りに行くんだって教えてくれた。
幼稚園の子供達が、そこでお店やさんごっこをしたりする、定員３人くらいの背の低い小屋。
伝統的な工法で建てて、子供達に木のぬくもりや日本古来の技術を教えたいっていう願いから、依頼が舞い込んだそう。
実はそこは智君の卒園したところ。つまり私もそこの卒園生。
園長先生から是非智君にお願いしたいって、名指しで依頼が来たらしい。
｢智君一人でするの？｣
｢半分くらいはもう昨日までで出来てっから、こっからは一人でやるよ｣
｢･･････それ、私も手伝ったらだめ？｣
｢え？｣
｢邪魔しない！ 邪魔そうだなって思ったら帰るから。･･･････前からね、どんな作業風景なのか見てみたくって。智君ところの職人さん、みんなかっこいいでしょ？憧れてたの。でも見てみたくっても遠方が多いし、第一神聖な場所だから部外者は行っちゃいけないよなぁって我慢してて。だから･･････ついていっちゃだめ？｣
｢･･････あちぃよ？｣
｢水分補給は怠りません！｣
｢･･････んじゃあ、ちょっと待ってて｣
電話の向こうで沈黙が流れた。
電話口から離れた気配。智君、どこに行ったんだろう。親方に聞きに行ったのかな？
暫く待ったら、いいよって返答が返ってきて、喜んで出掛ける用意をして智君の運転するワゴン車に乗せてもらって現場に行ったんだけど･･････間もなく私は後悔した。
まず一つ目に、着いた幼稚園には、お盆前だし誰もいないだろうと思っていたんだけれど、若くてとっても可愛い女の先生が迎えてくれて、私がついてきているのを見るなり、あからさまに不審な顔をしてきたから、まずかったんだろうかとドキッとした。
でも理由はすぐにわかった。
先生はこっそり近付いてくると私に言った。
「まさか彼女じゃないですよね･･････？ 違うって言って！」
切実な目で見られて、私は驚いた。
智君、惚れられちゃってる!?
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 722人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんばんはー。出勤お疲れさまです。更新時間はずれますが、どこぞの時間に入れていただいて、またお話を楽しんでいただければと思います。更新先でもお待ちしております！ (2020年6月3日 20時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» kei様こんばんはー。私もプロポーズされた気になって作ってました。作れて幸せでした。まだまだ幸せ続きますよ！お楽しみに！ (2020年6月3日 20時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ていくさん» ていく様こんばんはー。スーツ姿の回ありますからね！お楽しみに！ (2020年6月3日 20時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様こんばんはー。幸せですよねー。私も作っててずっと幸せです。移行したので引き続きよろしくお願いいたします！ (2020年6月3日 20時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんこんばんは。ママに指輪のサイズ聞く、狙ってるのか天然なのかわからない智君が私は大好きです！（告白しちゃった！）このあとも智君の男前度と主人公ちゃんの可愛さは増す一方なので、お楽しみにね！ (2020年6月3日 20時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2020年5月8日 13時
