3話 ページ35
私にスリッパを出してくれたのは和也君だった。片手にゲームを持っている。和也君は私を見ると、呆れた顔で溜め息を吐き出した。
｢顔が死んでるじゃん。 ･････疫病神でも背負ってんじゃない？ そんなのうちに持って来ないでよ｣
疫病神･･････。
相変わらず皮肉の強い和也君。
その言葉に私はうなだれた。
･･････本当に疫病神でもついてそうだ。
こんな私、大野家の敷居をまたぐわけにはいかない気がしてきて落ち込んでしまう。
後ろ向きな気持ちになって身を翻しかけたら、和也君がこちらに手を伸ばしてきた。
叩かれるのかと思って思わず肩をすくめた。
和也君は私の背後の何かを掴むと、それを床に投げ捨て、足でグリグリと踏み付けた。そしてニヤリと笑った。
｢はい、疫病神の取っ払い完了ー。もういないから。安心して上がって来なよ｣
そう言うと、身を翻して家の中に入って行った。
和也君の踏み付けた場所には何もなく。
あるとしたら、ちょっと分かりにくい優しさで。
翔さんが苦笑しながら後ろに身を引いて言ってくれた。
｢どうぞ｣
雅紀君もさぁさぁって言いながら背中を押してくれる。
･･････とても暖かそうな雰囲気の家だった。
探していた何かがここにはあるような、そんな、ずっと顔を上げていたくなる家。
でもやっぱり靴が脱げなくて躊躇っていたら、先に上がったはずの店長が布の山を抱えて戻ってきた。
｢これ、服。何もないでしょ？ サイズちょっとでかいかもしんないけど。使って？｣
店長が先に入っていってたのは、まさかの私の服を用意するためだった。
私は感動してしまった。
｢店長･････｣
店長はくすぐったそうに笑った。
翔さんが店長の両腕の中のたくさんの服を見て微笑んだ。
｢これ、キョウコさんの服？ 久しぶりに見たわ。･･････このＴシャツよく着てたね。懐かしい｣
キョウコさん？
･････あ。
私はにわかに緊張した。
キョウコさんというのは、もしかしたら店長の奥さんだった人？
つまり、みんなのお母さんだ。
詳しくは知らないけど、若くして亡くなった人。
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ao(プロフ) - えむさん» えむ様いつも応援ありがとうございます！癒やしと萌はいついかなる時でも重要ですよね！あればあるほど嬉しいもの。大野家のみなさんに是非癒されて下さいね。楽しみながら頑張ってまーす。 (2019年12月19日 21時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なおさん» なお様こんばんは。もしやタンポポ色のあのお方のご担当？私もかき乱されているので尚更のことと拝察致します。癒やしと萌をお届け出来るように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年12月19日 21時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - aoさん、おはようございます！やっぱりaoさんのお話を読むと暖かくなれます。次回の更新も楽しみに待っています(*´∇｀*) (2019年12月18日 10時) (レス) id: bd8350da83 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - なんだか最近は自担に心をかき乱される事が多いのでaoさんのお話で癒される毎日です。いつも楽しみにしています！ (2019年12月18日 10時) (レス) id: 19cc532da8 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 萌和*さん» 萌和*様おはようございます。萌えにニヤニヤとだらしない顔をして作っている私に、紡ぐ言葉だなんて綺麗な表現を頂戴できて、凄く凄く嬉しいです。マイペースで頑張らせて貰いますね。ありがとうございます〜。 (2019年12月14日 6時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年11月26日 8時
