15話 ページ32
松にぃが私に向かって言った。
｢あのお嬢さんと別れたらさっきの俺の部屋で待ってるといい｣
｢助かりますけど･････いいんですか？｣
｢スタッフだって立入禁止なんだがな。Aは身内みたいなもんだ。だがあの部屋でおっぱじめるのだけはやめてくれよ。想像したら仕事になんねぇわ｣
私が真っ赤になって俯いたら、おーちゃんが言い返してた。
｢自分は人んちでやりたい放題のくせに。俺が中にいても平気でやるじゃん｣
｢うるせぇ！｣
･･････想像するのが怖いことを言っている二人なのに、和やかに笑ってて。
ほんとにおーちゃん、経験豊富過ぎない？
そのあと席に戻ったら、松にぃがちゃんと今泉さんに離席のフォローをしてくれていて、その仕事のぬかりのなさに舌を巻いた。
店を出た私は、今泉さんにおーちゃんが彼氏だということを打ち明けた。人気者だからばれないようにしていることも。
物凄く驚いていたけど、謝ってもくれて。あの店をチョイスしてごめんなさいって。
私は慌てて首を横に振った。
全然悪くなんてないのに。
今泉さんは最後に素敵な我が儘を言ってくれた。
｢私のこと、今泉さんじゃなくて、名前で呼んでくれないかな。あだ名でも何でもいいんだけど。 私も名前で呼ばせてもらいたくて。何度か勇気出してもう呼ばせてもらってたんだけどね。ばれてた？｣
窺うような眼差しが一生懸命で可愛かった。
私なんかにそんなこと･････。
私は感動しながら口を開いた。
｢･････可奈さんって呼んでもいい？｣
｢もちろん！｣
｢じゃあ半年後には可奈ポンね！｣
私がふざけて言ったら、はじけるように笑ってくれた。
3月の暖かい夜。
出会いと別れの季節に、素敵な人と仲良くなれた。
もうすぐこの町にも桜が咲き始める。
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なるちゃん(プロフ) - 堪能した この言葉がぴったり当てはまるすばらしい作品でした！ 喫茶店がオープンしてからのエピソードも楽しみにしています！ (2019年7月1日 8時) (
レス) id: ed0a73ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - はるさん» はる様こんにちは。嬉しいコメントありがとうございました。私も大好きなお話でした。また書けるといいなぁって思います。ほんと、主人公ちゃん羨ましかったですねー。読んでくださってありがとうございました！ (2019年4月5日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - aoさん、こんにちは。素敵なお話をありがとうございました。ゆっくりと進む感じの二人がとても素敵でした。智ちゃんが格好よくて主人公ちゃんが羨まし過ぎです。また続きが読める時がきたら嬉しいです！ありがとうございました！ (2019年4月4日 15時) (レス) id: b3c5b647ee (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様、コメント嬉しいです！kiki様のご都合のいい時に遊びに来ていただいて、余裕のある時にまたコメント下さったら嬉しいです。私はいつでも両手を広げて萌えるカッコイイ青色さんを用意してお待ち致しておりますので。頑張りまーす！ (2019年4月4日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 忙しい中、癒されてます。ゆっくりコメントできず申し訳ありません。でも、毎回楽しみにしております。 (2019年4月2日 8時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年3月13日 10時
