24 空いてる？ ページ24
人に任せきれないのが私の欠点。何でも心配になって、自分で任せたくせに、ちょっとでも助けてって顔をされちゃうとしゃしゃり出て行っちゃう。
私は一緒に食べていた目の前の看護部長を見た。上司の部長にはその欠点について常々言われていたから。
食事しながら静かに含み笑いをしている部長。恥ずかしくなって俯きがちに再びお箸を持った。
｢Aさ、今週の土曜日、いつなら空いてる？｣
ぎょっとした。
なんでもないことのように聞いてくる智を信じられない思いで見て、それから目の前の部長を見て、最後に眼下のカレーライスに視線を移した。
･･････冷や汗が流れそうになった。
部長がいるのになんてこと聞いてくるの!?
そーっと智を見たら、また口を開きかけるから、思わず机の下で太股を叩いた。
｢いてっ。何すんの｣
｢だって！｣
小声で文句を言おうとするも、部長が気になって何も言えないで歯がみしていると、そんな私達を見ていた部長が訝しげに首を傾けた。
｢あなた達･････？｣
御年59歳。大ベテランの城山部長を騙し切れる人は皆無だ。院長でさえ。
終わった･････って思っていたら、智が実にフラットに答えた。
｢高校の時の連れです。ここで再会した時はびっくりしましたよ｣
｢まぁ。そうだったの。初耳だわ｣
｢部長だけしか知りません。ねぇ？｣
話を振られて慌てて頷いた。
｢そうなんです。このとおり人気者なので知られたら面倒なことになると思って黙っていたんです。申し訳ありません｣
｢あら、謝らなくていいのよ。私しか知らないってわざわざ言うってことは、黙っておいてくれって、そういうこと？大野先生｣
智は肩をすくめた。
｢俺は知られてもいいんですけど。だって黙っとく方がやらしいっつうか。でもこいつ人気者みたいで、私に話しかけるなオーラがすごくて困ってて｣
びっくりして智を見た。
｢違うでしょ、人気者はそっちでしょ!? みんなあなたのこと見に来てるじゃない｣
｢俺はパンダじゃねぇよ？｣
｢そういうこと言ってるんじゃなくって！｣
言いかけて、周囲の視線が私たちに向けられているのに気づいて、仕方なく消化不良なまま口をつぐんだ。
部長が驚いたように言った。
｢もしかしてあなた達･･････そうなの？｣
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ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
