9話 ページ9
｢おーちゃん！仕事は？｣
『終わって、今帰ってるとこ。ごめん、遅くに』
｢ううん、それは全然いいんだけど、どうしこんな早くに終わったの？｣
『店の清掃入る日で、0時でクローズしたの』
｢そんな日もあるんだね｣
『Aちゃんどこいんの？』
｢家にいないってなんでわかったの!?｣
『･･････わかんない。勘？』
凄い特技だよ、おーちゃん。
私は躊躇ってから、喫茶店を開きたいっていう話をおーちゃんに喋った。
翔君はともかく、家族以外にこの話をするのは初めてで、いっそう身の引き締まる思いがした。
走り出した夢。
もう引き返せない。引き返したくない。
『･･････そっかぁ。良かったね』
しみじみとした、おーちゃんの良かったねが体にしみわたる。
｢ありがとう｣
『それで何かここんとこ顔がキリッとしてたんか』
｢え？してた？｣
『フフ、してたしてた。ヒーローみたいにキリッとしてた』
可笑しそうに言うおーちゃん。私は照れ臭さで頬を押さえた。
｢おーちゃんが、言ってくれたでしょ？パンを売ってる喫茶店とかやったらいいのにって。あの言葉が最後の最後で、私の夢の形にぴったりはまって、走り出すことができたの。ほんとにありがとう｣
無言になるおーちゃん。
｢おーちゃん？｣
少しの間の後、おーちゃんがぽつりと言った。
『ここだよ･････ね？』
｢え？｣
『貼紙も看板もないけど』
｢え？｣
『今駅の裏に来てて、多分Aちゃんの店の前に立ってるんだけど、シャッターに何も貼ってないよ？』
｢え･･････嘘･･････｣
びっくりして思わず立ち上がった。
おーちゃんに本当にそこが喫茶店の場所か特徴を尋ねたら、やっぱり間違いなくって、足元から不安がはい上がって来る。
｢どうしよう、もう売れちゃったのかな･･････!?｣
私はパニックになった。
うろうろ部屋の中を歩き回る。
どうして貼紙なくなっちゃったの!?
借り手がついたからとしか思えない。
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ao(プロフ) - 765proharukavaiさん» 765proharukavai様はじめまして。コメントありがとうございます。ラブラブ具合はいかがでしょうか。お楽しみ頂けてたら嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - あいさん» あい様ありがとうございます！ぎこちなさが残る二人、うれしはずかしで、いい時期ですよね。慣れるとかなく、このままの二人でお送りできればなぁと思います。よろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - はるさん» はる様こんにちはー。ラブラブな二人、お楽しみいただけてますか？これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
765proharukavai(プロフ) - 初めてコメントをさせて頂いています。いつも楽しみにして読ませて頂いております。純粋でほのぼのとしたふたりの雰囲気が、なんだかほっこりとしてとっても和みます！これからのラブラブ具合が楽しみです!!次の更新を楽しみに待ってまーす。 (2018年9月5日 16時) (レス) id: 42941b0f76 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - お話も現実も台風一過で幸せ気分です。まだぎこちなさが残る微妙な距離感の二人が可愛らしいですねー☆ (2018年9月5日 12時) (レス) id: cdabb1149e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年8月28日 15時
