犬系彼氏、猫系彼女。【青山陸】

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Aからもらったお弁当を食べて午後のボイトレを終えると、ちょうどAの仕事終わりの時間。




荷物を持って受付のところまで迎えに行く。









「りっくん、」





そう呼ばれて振り向くと、もうAが立っていて、





『おつかれさま、帰ろっか！』





そういうとにこっと笑ってうんっ！なんて元気なお返事。









『A〜手繋いでいい〜〜？』





「何言ってるの、だめに決まってるじゃん」




なんて事務所を出てお決まりの会話。




理由はただ一つ、俺らの交際はまだ公表してないか
ら。



ほんとはもう公表したいけど、Aがまだ黙ってお
こうって言うから俺はその意見を尊重してる。






「…、ねぇ？きいてる？？青山さん？」






なんて考え込んでるとAが半分呆れ顔で聞いてきた





『えっ！？ごめん、なに、？』




なんて思わず動揺するけど、





「だから、どこ行くの？って。決まってないなら家帰る。」




だなんて冷たいこと言ってるA。




でも、それは冷たいんじゃなくて俺の仕事柄を気にしてくれているだけで、もちろん今だって少し離れた距離で歩いてる。




さりげない優しさと、しっかり俺のことを考えてくれてるところがAのいいところで、そのたびにやっぱり好きだな、と実感する。




『ん〜じゃあAの家帰る！！』




「はいはい。」








なんて言いながら、Aの家に向かって歩き出した。

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