犬系彼氏、猫系彼女。【青山陸】

18 ページ19

.



無我夢中で走り続け、着いたAの家。




合鍵を使い部屋に入る。





『A！！！！！！



おい！！！！Aーーーー？？？』





なんて真っ暗な部屋に叫ぶ。




Aのいつも履いてる靴も、デートの時にだけ履く靴も全部揃ってるからいるはずなのに、、








『Aー？？？』



寝室からゴソゴソと物音が聞こえた気がして、そこに入ってみる。






『……………A？』







「………っ…ｸﾞｽｯ……りっ、くん、……」




布団に潜り込んで泣いているA。




もう昼も過ぎ、3時を過ぎた頃なのに、、


いつから泣いてたんだろう、

Aが傷ついてるときに俺は呑気にみんなで騒いで何をしてたんだろう、と後悔と悔しさでいっぱいになる。



『A…そっちいっても、いい？』



「……っ…ｸﾞｽｯ……」


返事は返ってこない。


何があったのかはわからないけどゆっくりAのもとへ足を運ぶ。




「ごめっ、なさっ………こな、いでっ………」




なんて言いながらまたさらに泣き出すA。



そしてその場で立ちすくむことしかできない自分。




『A、何があったの？


俺、言ってくれないとわかんないよ…』




「…ごめん、なさい……」



『ごめんなさいしか言えないのかよっ、


なんか言ってくれよ…』




思わず衝動のまま気持ちをぶつけてしまった。


言ってから後悔する。





「…もう、汚れたからっ…ｸﾞｽｯ…ほっといて、…」



は？どういう意味だよ、





全然わかんねえよ、…





『放っとけるわけないじゃん。




でもAが話す気ないならそれでいいよ。』




そう言って、部屋を出た。

19→←17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す