３ ページ10
次のブロックは天候操作がされている。
土砂降りの雨の中、地面がぬかるむ。
足場が悪い。あまり激しく動くと足を滑らせるだろう。
「…ゴーグル持ってきて正解でしたね、えおさん」
「無かったら視界やられてたね…。……ＦＢはまだ合流できない？」
『ま、またひきはにゃしゃれしゅりｗｗ』
「落ち着いて話せよ…ｗ」
また引き離されてるよ、かな。
それにしてもよく噛む人だ。
「じゃあ突入しましょう、えおさん」
「ん、」
俺、えおさんの順で飛び出し、銃の引き金を引いた。
マズルフラッシュがスコールと闇を引き裂いて、鉄の弾丸が的を射抜く。
踏み込み、蹴り飛ばす。的が折れた。
えおさんの方もスムーズに的を撃破している。
(それにしても、ＦＢさんの気配が全くしない)
本当にあの人ついてきてるのか？
いや、付いてきている事は確かの筈。
定期的に飛んでくる弾丸がその証拠だろう。
だが、姿も気配も感じられない距離となると、相当だ。
「……っと」
『あ！ 副隊長さん大丈夫ですか…！』
背後からの弾丸が俺の頬を掠めた。
焦った声で、ＦＢの声が聞こえる。
「…平気です。いまのは俺が動きすぎました」
ちょっと警戒して動きすぎたのは否めなかった。
だからそう言ったのだが、ＦＢにきょとんとした雰囲気で言葉を返される。
『…そ、そうですか？』
「…気にしなくていいですよ」
息を吐きながら、そう返した。
事実としてＦＢの弾丸は的に命中し、次の場所へ進む道も開けた。
ならば文句はない。
「ＦＢ、いまどこ通ってる？」
『いま上の通路通ってましゅ！』
「しゅ？ ……そうですか」
上の通路。確かに、地上ルートと上方ルートの２つがあったはずだ。
その上方を通っているのか、と俺は少しだけ感心した。
確かに全員がわざわざ地上を通る理由もない。
「へぇ…、考えましたね」
『え？ｗｗ いやｗ 降りられなくなっちゃったのｗｗ』
「…そうですか」
何だ、普段通りか。
白けた顔で返事を返しながら、スコールの中を走る。
服が雨を吸って重たい。ブーツの中に雨が入って嫌な音が鳴る。
耳障りだな、と思いながら、まだ進む。
残り、３ブロック。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう（すっとぼけ←） 読んでくださってありがとうございました！ (2015年6月28日 19時) (
レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです！これはﾎﾓｫ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・！ (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2015年2月28日 3時
