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えおさん、と声をかけようとすれば、目の前に敵軍が現れる。
弾が飛来し、俺は身体を捻って躱した。躱しきれなかった弾は空中でナイフを使って弾く。
着地、そのままの勢いで屈む。
上方部から放たれた弾はスナイプで叩き落とされ、敵軍のスナイパーは仕留められた。
(ふぶさんか)
俺は敵が倒れて開けた道を進む。
ようやく目の前に現れた緑の髪に駆け寄る。
背を向けたままの緑は、ゆっくりとこちらを振り向いた。
「えおさん…っ」
「…あぁ…、シィナノルトか」
ゆらゆらと動くえおさんに、俺は内心で少しまずいなと思った。
えおさんのトランス状態が近い時は、大体にしてゆらゆらと動いているのだ。
つまり、それが近いという事を表している。
「…大丈夫ですか」
「…まぁ…、笑いださない程度には、ね」
そう言ってポケットからカプセルのはいったケースを取り出し、１錠呑み込む。
「ぷはっ…、水なしはキツイね」
「それはそうだと思いますよ…。…とりあえず、ふぶさんにはサポート頼みました。敵の本陣はこの先です。えおさん、先行をお願いします。俺は別ルートから行きます」
「ん、了解」
無理はしないでくださいね、と言えば、ひらひらと手を振り返された。
俺は跳躍して上へ。視界の端でえおさんが視認出来る距離を走る。
『本陣へ一気に攻めこむぞ。きっくんがヘリから、ＦＢがスナイプで追い込みをかける。俺らは地上から。いいな』
「はい、えおさん」
やれる事はやりきらなければ。
道を塞ぐ敵を仕留めながら、あちこちに爆薬を撒いて本陣の近くへ誘導していく。
できることさえできれば、それでいい。
俺がいまできる事はそれだけだ。
本陣の方へ敵を誘導しつつ、俺は道をそれた。
「こっち側から回った方が近い…けど」
眼前は敵の山か。
俺は軽く舌打ち混じりに踏み込み、ナイフを振るう。
敵が引き金を引いた。
前方を銃弾が埋める。屈み、躱し、地面を滑る。いなし、叩き落とし、跳ね返す。
跳弾は的確に敵を貫き、床、壁に食い込んで停止する。
動くもののいなくなった道を、跳躍を加えて飛び越えていく。
建物の窓から窓へ飛び移り、俺がその先に着地した、その瞬間だった。
後方から発砲音。間に合わない。身体を捻って躱していくが、数発が身体を掠め、貫いていく。
「……ッ！！」
その先にいたものを視界が捉えて、まずいな、と冷静な思考が俺の中で警鐘を鳴らした。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう（すっとぼけ←） 読んでくださってありがとうございました！ (2015年6月28日 19時) (
レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです！これはﾎﾓｫ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・！ (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2015年2月28日 3時
