いとおしいね、

拗らせ弟の癖 ページ45

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チームメイトの小野寺太志には、とある癖がある。

これは多分、本人は無自覚・無意識だと思うけど、同期である俺、武智洸史にはバレバレである。周りも結構気づいていると思う。


太志は、とにかくお姉さんのことが大好きだ。それはもう、これでもかというくらい伝わっている。太志のシスコンぶりは普段から、毎日発揮されているのだ。



例えば、スタバの新作が出たって話になった時、｢その新作がこんな味で…、こんなカスタマイズで…｣と俺が説明していると、太志はこう言う。



｢へえ、美味しそうじゃん。なんか、Aが好きそう。｣



｢甘いの好きだからな〜｣と笑う太志のデレデレ具合ったら、もう……。


スマホをこまめに確認している太志に、｢なんかあった？｣と聞いた時は、だいたいこう返ってくる。



｢いや、Aからの返信待ち。｣



お前は彼女か、と言いたくなる気持ちはぐっと我慢だ。慣れれば気にならなくなる。日常茶飯事。

そして通知が来た時の反応の速さは半端じゃない。チラッと見えた太志のロック画面がお姉さんの後ろ姿だったことは、ここだけの話。


練習中、ふわっと太志から香ったいい匂いに｢香水？｣と聞いた時は、こう返ってきた。



｢そう。Aがくれた。｣



めちゃくちゃ嬉しそうな顔で言う太志に、俺は｢よかったじゃん｣と一言。


太志のお姉さん愛はすごいし、お姉さんの弟愛もすごい。｢こんなに仲のいい姉弟っているんだなあ｣と感心するほどだ。

多分、太志の世界の中心ってお姉さんだと思う。次くらいにバレーだろうか。


｢拗らせてんなあ｣なんて思うけど、微笑ましくて、なによりお姉さんの話をするときの太志のやさしい顔を見たら、誰も何も言えやしない。









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拗らせ姉の癖→←姉と仲良しなんです

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