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「すぐ近くにコンビニあるけど行く?」と姉に誘われて、夕飯のあと、少し肌寒くなってきた外へ出た。

「お酒とおつまみ買い忘れてた」と苦笑いする姉に、そういえばそうだと今更思い出す。俺がお土産として買ってくればよかったなあ。



姉の言った通りコンビニはすぐ近くで、徒歩でも数分で着いた。駅もそれほど遠くなかったし、結構立地がいい。


店内で、缶チューハイの並ぶ棚を見ながら、「これ美味しいよ」とお互いのオススメを共有する。おつまみも同様。

姉弟揃って好みが似ているから、姉のオススメにハズレはないし、俺のオススメが姉にとってハズレになることもない。これにはかなり自信があるので、ここで断言しておく。



会計を済ませ、少し気の抜けた店員の声を背にコンビニから出た。

街灯が、並んで歩く俺と姉を照らして地面に影をつくる。それを見た姉は「太志の影、大きいなあ」と笑う。


身長も体格もすっかり俺の方が大きくなったし、精神的にもあの頃よりずっと落ち着いて大人になった。

だけど、やっぱり姉には敵わないなと思う。なんだかんだ、あの頃と変わっていないのかもしれない。


コンビニの袋を持っていない方の手で、姉の手を握る。姉は少し驚いていたけど、すぐに手を握り返してくれた。

たまには、俺がこうして姉の手を引いたっていいだろう。甘やかしたっていいだろう。

姉が俺を守りたいと思ってくれているのと同じように、俺だって姉を守りたいのだから。



「帰ったらゲームしよ。」

「お、いいね〜!なにやる?マリカ?」

「それ、Aが得意なやつじゃん。スマブラね。」

「それは太志が得意なやつでしょ〜。」



俺と姉の間で揺れる繋がれた手はあの頃より大きくなったけど、手の温度は何一つ変わっていなかった。









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弟よ、それはずるい→←俺だって姉を守りたい



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午睡(プロフ) - RIOさん» 完結までお付き合いいただき、ありがとうございました!(;_;)是非、姉弟をよろしくお願いしますッ…!本当にありがとうございました!! (2021年10月27日 18時) (レス) id: 95250c6930 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 最後まで読ませてもらいました!小野寺姉弟、推しちゃいそう!笑シスコンとブラコンかぁ~小野寺くんに愛されたい((  長い間、お疲れ様でした! (2021年10月27日 7時) (レス) @page50 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - RIOさん» ありがとうございます…!!在り来りですが、オチといえばこれかなと…(笑)安定に推しが尊いですッ!! (2021年10月12日 1時) (レス) id: 95250c6930 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 新しいの読ませてもらいました!オチ完璧ですね(笑)そして相変わらず推しが尊い╰(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)╯ (2021年10月3日 23時) (レス) @page32 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - RIOさん» 寺くんいいですよね…(ニッコリ)ありがとうございます…!! (2021年9月26日 2時) (レス) @page28 id: 95250c6930 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:午睡 | 作成日時:2021年8月17日 2時

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