いとおしいね、

俺の姉が可愛い ページ22

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今日、姉が試合を見に来る。この間、｢丁度休みだから…｣というメッセージと共に、ルンルンするうさぎのスタンプが送られてきた。


いいところを見せたいなと思うから、姉が見に来る日はいつもよりちょっと緊張する。

姉が試合を見に来ることはシーズン中3回程で、あまり機会がない。アーカイブは毎試合見ているという話は聞いたが、やっぱり活躍している姿を姉に直接見せたいという気持ちがある。


確か、サイドライン側の席って言ってたな。

俺はきょろきょろ辺りを見渡して、姉の姿を探す。姉はいつも、俺の背番号と名前が入った緑色のユニフォームを着ていて結構わかりやすい。


視線を順に横にずらしていくと、姿勢正しく席に座る姉を見つけた。姉も俺を見ていたようで目が合い、手を挙げたが、手を振っていいものかと迷っている。

姉の、そうやって周りのことを考えて気を遣ってくれるところが好きだ。中途半端に挙げられた手と悩む姉の姿に、俺は笑いながら手を振る。

すると、姉は嬉しそうな顔をして控えめに手を振り返してくれた。



｢あの人がおのさんのお姉さんか。可愛いな。｣

｢っ？！どこから湧いてきたんだよっ｣



いつの間にか、俺の隣で顎に手を当てて姉を見る金子の尻に蹴りをいれる。じっくり見るな、俺の姉だぞ。



｢大学の頃見た時より美人になってる。｣

｢っ？！いや、いつからいた？！｣



気がつけばそこにいた航さんも、金子と同じく顎に手を当てて姉を見ている。本当にやめてくれ。じろじろ見るな。

姉の方を恐る恐る見る。きょとんとして首を傾げたあと、照れくさそうに笑って二人に向かってお辞儀をした。そして、唇を動かして｢がんばれ｣と言う。

え、なにそれ可愛い。



｢…お姉さん、可愛すぎない……？｣

｢あれはずるくない……？｣



両サイドの二人が心臓を押さえて床に蹲る。こればっかりは二人に同感だ。俺の姉が可愛すぎる。俺も両手で顔を覆って床に膝をついた。

その様子に、姉も周りの人も不思議そうな顔をしていたらしい。









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