青鬼と人間―6― ページ8
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とても美味しそうな匂いがする。
パチリと目を開けて、体を起こす。…また、ソファで寝てた。風邪ひいてしまうわね。
「人間、おきた、だいじょうぶ??」
目の前に青鬼(人間ver)が困った顔をして、お粥の入った器を持って、座っている。
「………青鬼?」
あ、眼鏡かけた寝てしまったのね。歪んでしまうかも。
「人間、ごめんな、さ、いぃ。
うれしく、て、つよく、だきしめ…た。自分が、しあわせ、で…。」
「…………。」
気になる。
「………。」
「どうし、たの?人間。」
「……名前。」
「??」
可愛く小首を傾げる。
「Aっていう名前があるの。そう、呼んで欲しいわ。
……喰われるまでは。」
「A??
人間、の、名前…??」
「そうよ……そう呼びなさい。」
「A……A。」
ずっと、私の名前を繰り返して呟く。
……青鬼に、名前は無いのかしら。
「青鬼。貴方にAは無いの?
正直、呼びにくいわ。」
「なまえ、は、自分に、無い。
でも、A…が、よんで、くれる、なら、なんでも、いい。
それに、自分、は、ずっと、Aの、となりに、いたい。
喰べたく、ない。A、を、喰、べたく、な…い。」
「……。」
とりあえず、今の所は私を殺す気は無いのね。安心しよう。今だけ。
…あ、青鬼の名前だったわね。
「……青、青……ブルー、縹色、瑠璃紺、シアン……。
シアン………シアン……シア。
―――――シア。は、どうかしら?」
「“シア”?
シア……が、自分、の、なまえ??」
「不満、かしら…?」
「ううん。」
首を横に振る。
「シアは、うれしい、シアは、ずっと、シア、って、いう。
しあわせ、ありがと、う。A、シアは、うれ、し…ぃ。」
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楽しみ - よしシア結婚しよう (2021年4月1日 15時) (レス) id: ecd1e40978 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続きが気になりましたてとてもストーリー性もよく引き込まれました!是非続編お願いします! (2017年2月6日 23時) (レス) id: 151269d785 (このIDを非表示/違反報告)
ハガネ - 倉橋さん» 今のところは無いです。 (2015年11月8日 19時) (レス) id: f1d6272781 (このIDを非表示/違反報告)
倉橋 - 続編とかの予定あります? (2015年10月31日 16時) (レス) id: 2f20e64fbe (このIDを非表示/違反報告)
ハガネ - エネコノ純粋(ハアトさん» はい、頑張ります! (2015年10月6日 19時) (レス) id: f1d6272781 (このIDを非表示/違反報告)
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