喰べないからそばに居て。

青鬼と人間―４― ページ6

……誰かに見られてる。
館からではなく、背後から。


「………か、帰ろう。」
花を供え、一か月の事を三人に報告して。いつも通り家へ帰ろうとした。



後ろを向いて、顔を上げようとした瞬間―――。
青い足が見えた。

「！！」
すぐに身構える。
青い巨体、黒く大きい目。大きい目が私をしっかりと映す。その雰囲気は、とても楽しそうだ。
そんなに、私を喰べたいのかしら…？

恐怖に足が震えるが、家へと走る。
後ろから、青鬼が追いかけてくる。





「――――――っあ！」
小石につまずいて、転んでしまう。
転んだせいで、右足が痛い。ひねってしまったかな…。

「――、――――、―――。」
青鬼の口が動く。
あぁ、そうだよね。美味しい餌が此処に倒れているんだもん。
ゆっくりと私に覆いかぶさってくる。
恐怖で目を閉じる。


―――。


あれ……？痛くない。
疑問に思って、目を開ける。

「なっ……！？」
私を壊れ物を扱うかのように、抱きしめている。
それでも、呼吸器官をキツく抑え込むから呼吸が苦しい。

「…っは、離し…なさい……っ！！」
青鬼の体を突き離そうとするが、動かない。
それどころか私を抱きかかえて、館へと歩き始めた。

「い、嫌っ。やだ、離しなさいよ！」
また、あの館に行くなんて嫌。
それだったら、また喰われた方がマシなのかもしれないわ。









・









・







館の中へと入ってしまった。

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